第1弾『
イメージと読みの将棋観』の待望の続編。前書同様、超一流プロ棋士の緻密な読みと大胆な見解がみごとなまでに冴え渡っている。
第1弾とページ数が同じなのに、取り上げられたテーマは10個ほど多い。その故か、個々のテーマの背景説明や詳細研究がやや物足りない印象は、残念ながら否定できない。
また、テーマ自体も、とくに序中盤では、新手奇手珍手が成立するか、今後も通用するか、といった部分に主な焦点を当てていた前書とはやや傾向が異なり、なぜその戦法や構想は廃れたのか、復活することはないのか、といった視点からの検証が多い。
前書、もっと言えば雑誌連載当時からまだ3年くらいしか経っていないのに、序盤戦術などの様変わりぶりには驚かされる。プロでさえ油断すると置き去りにされるくらいだから、ましてアマチュアはたいへんだ。でもそこは、一流プロによる勝率イメージなどの情報が大いに参考とできよう。
第1弾同様、“幕間”と称したお題がいくつか用意されている。よくそんなことを訊く気になるとも思うが、各棋士がそれにまた、半ば呆れながらも偽らざる本音を吐露してくれているのが、プロも人の子、我々ファンとの距離がぐっと縮まり、親近感が増す、嬉しい記事になっている。
将棋という“小宇宙”の果てない奥深さに触れ、ますますのめり込んでしまう絶好のきっかけになる。
多忙のところ、労力を惜しみなく投じてくれた各棋士にあらためて大感謝。リアリティ溢れる筆致で棋士とファンを間近に結びつけ、好企画を見事に結実させた著者・鈴木氏にも大感謝。
でも・・・。
欲深いファンとしては、現在売り出し中の、それぞれに一家言を持っていそうなイキのいい若手棋士が同様の企画に挑戦して、どんな研究や見解を見せてくれるかなぁ、と、新たな“イメージ”を無限に広げてしまうのである・・・。
数年後に、顔触れを一新した“新編”、期待しては、ダメ、かなぁ・・・?