前半は前巻に引き続き統治民族カーマの秘密を知ってしまったデュルクの辛い逃走劇が描かれて居ます。
デュルクは自身が生き延びる為とはいえ、多くの人命を奪い、超能力を身にまとう為に宿す「イムリの道具」の順番を間違えた為に更なる窮地に陥ってしまいます。
好々爺の仮面をかなぐり捨てたデュガロ呪師がカーマの権力を守る為に冷酷で狡猾な正体を現し、異様な存在感を示します。特にデュルクの双子の片割れミューバにデュルクに対する疑念を吹き込むシーンは見ものです。
後半は場面が変わってイムリの集落の日常を描きながら、彼らの言動の端々から徐々にカーマによるイムリに対する民族浄化が進んでいる様子が伺えて恐ろしくなります。
個人の深い描写に冴えを見せる事が多かった三宅乱丈氏ですが、このイムリでは権力を持った民族が如何に先住民を同化・浄化して行くかと言う歴史観にも挑むスケールを見せています。
様々な能力と同時にハンディを背負いながら一人旅をするデュルクの運命がいやが上にも気になります。次巻も非常に楽しみです。