内容(「BOOK」データベースより)
内容(「MARC」データベースより)
カバーの折り返し
の必携書!
3M、英国航空、P&G、アップルなどの企業の事例を目にするたびに我々
は考える。「どうすれば彼らのようなイノベーションを起こせるのだろう」と。
----イノベーションに関する数々の伝説に惑わされてはならない。天才や幸運は
必要ないのだ。本書は、イノベーションが「管理」可能な業務プロセスであるこ
とを提唱する。決して魔法ではないし、創造性がすべてでもない。大がかりであ
る必要もないし、必ずしも組織改革や先端テクノロジーを要するものでもないの
である。
また、重要なのは新たなアイディアや価値を生み出す(価値創造)だけでなく、
そこから成果を得ること(価値獲得)だ。本書は、戦略、組織体制、プロセス、
実績評価、報奨、学習、企業文化など個々の経営管理ツールに注目。創造性と収
益性を両立する「業務としてのイノベーション」の具体的指針を体系的に示すこ
とに成功した。
今後の持続的な成長を実現する上で、本書は多くの示唆をもたらすに違いな
い。7つの「イノベーション・ルール」によって、どの企業もイノベーティブに
なることができるだろう。経営者やマネジャー、新規事業担当者など、未来のイ
ノベーション・リーダーにとって必携の一冊。
著者について
トニー・ダビラ Tony Davila
IESEビジネススクール助教授。ハーバード・ビジネス・スクールにて博士号を取
得後、大手製造業やシリコンバレーの新興企業を対象として、経営管理や実
績評価システムの構築に携わる。ハーバード・ビジネス・レビューなど、学術雑
誌への寄稿多数。元スタンフォード大学経営大学院講師。
マーク・J・エプスタイン Marc J. Epstein
ライス大学ジェス・H・ジョーンズ経営大学院特別研究教授。先進企業および政
府機関を対象として、戦略実行、イノベーション、内部統制、アカウンタビリ
ティ、業績評価の分野で25年以上のコンサルティング実績を誇る。スタンフォー
ド大学経営大学院教授、INSEAD教授、ハーバード・ビジネス・スクール客員教授
を歴任。
ロバート・シェルトン
グローバルコンサルティングファームPRTMのパートナー。専門は、新しいビジネ
スモデルや新技術の企業経営への統合。エレクトロニクス、エネルギー、医
療、自動車、消費財、ソフトウェア、航空宇宙などの分野におけるコンサルティ
ング実績多数。アーサー・D・リトル、SRIインターナショナル、Navigant
Consulting, Inc. にてマネージング・ディレクターを歴任。
【訳者】
スカイライト コンサルティング株式会社
経営情報の活用、業務改革の推進、IT活用、新規事業の立上げなどを支援するコ
ンサルティング企業。経営情報の可視化とプロジェクト推進力を強みとしてお
り、顧客との信頼関係のもと、機動的かつきめ細やかな支援を提供することで
知られる。顧客企業は一部上場企業からベンチャー企業まで多岐に渡り、製造、
流通・小売、情報通信、金融・保険、官公庁などの幅広い分野で多数のプロジェ
クトを成功に導いている。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
IESEビジネススクール助教授。ハーバード・ビジネス・スクールにて博士号を取得後、大手製造業やシリコンバレーの新興企業を対象として、経営管理や実績評価システムの構築に携わる。ハーバード・ビジネス・レビューなど、学術雑誌への寄稿多数。元スタンフォード大学経営大学院講師
エプスタイン,マーク・J.
ライス大学ジェス・H・ジョーンズ経営大学院特別研究教授。先進企業および政府機関を対象として、戦略実行、イノベーション、内部統制、アカウンタビリティ、業績評価の分野で25年以上のコンサルティング実績を誇る。スタンフォード大学経営大学院教授、INSEAD教授、ハーバード・ビジネス・スクール客員教授を歴任
シェルトン,ロバート
グローバルコンサルティングファームPRTMのパートナー。専門は、新しいビジネスモデルや新技術の企業経営への統合。エレクトロニクス、エネルギー、医療、自動車、消費財、ソフトウェア、航空宇宙などの分野におけるコンサルティング実績多数。アーサー・D・リトル、SRIインターナショナル、Navigant Consulting,Inc.にてマネージング・ディレクターを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
抜粋
網羅的に解説している。いうまでもなく、イノベーションを起こすのは人であ
る。たとえば、「ポスト・イット」は、3Mでたまたま開発された「弱い接着剤」
を、一人の社員が楽譜の栞に応用できると思いついたことから生み出された。し
かし、「ポスト・イット」の製品化までの道のりは平坦ではなかった。特殊な
生産機械を開発するのに五年を要し、テストマーケティングでは良い結果が得ら
れず発売が頓挫しかかった。それでも3Mは諦めることなく、大々的なキャンペー
ンに打って出た。「ポスト・イット」が3Mに莫大な利益をもたらすようになった
のは、最初の発想から実に十年近くもたってからのことである。
彼らのイノベーションは、たしかに優秀な社員の斬新な発想からスタートしたか
もしれない。しかし、このプロジェクトを支持し、予算を与え、人材を投入し
た経営者がいなければ、彼らのイノベーションは実現しなかった。イノベーショ
ンを起こすのは人である。そして、その人の働きを生かしも殺しもするのが経
営者である。イノベーションの運命は、経営者が握っているのである。
本書には、3M、英国航空(BA)、P&G、アップルといったイノベーション・リー
ダーたちが登場する。こうした企業の名前から、読者は彼らの素晴らしい製品や
サービスを思い浮かべるだろう。そして「どうすれば彼らのようなイノベーショ
ンを起こせるか」を知りたいと思うはずだ。
イノベーションがどのようなものであるか、またどのような形で起こるかについ
ては、既に多くの優れた研究がなされている。先見性、創造的な思考能力、失
敗を恐れない起業家精神、技術と知識の管理、そして組織と企業文化。イノベー
ションに関する類書には、さまざまな成功要因が紹介されている。しかし、本書
はこれらの成功要因について、何か新しいコンセプトを提示しているわけではな
い。
本書は、「どうすればイノベーションを起こせるか」ではなく、「どのようにイ
ノベーションに取り組むべきか」について書いている。本書には、しばし
ば価値創造(Value Creation)と、価値獲得(Value Capture)という言葉が登
場する。「イノベーションを起こす」といった場合、私たちの多くは価値創造を
イメージする。だが、イノベーションは手段であって目的ではない。私たちは、
「どうすればイノベーションの成果を得られるか」、すなわち価値獲得に焦点を
合わせる必要がある。そして、著者の言葉を借りれば、「イノベーションの成果
は、取り組み方に左右される(How you innovate determines what you
innovate.)」のである。
多くの読者は、「イノベーションは管理できる」という著者の主張を、意外に受
け止めるかもしれない。しかし経営者にとって、経営資源を適切に配分し、
企業価値を高めるという意味において、イノベーションと他の企業活動との違い
はない。イノベーションだけを未知のものとして例外扱いし、運を天に任せるよ
うに運営するのが賢明だとは思えない。これを裏付けるかのように、P.F.ド
ラッカーは、1985年に刊行された『イノベーションと起業家精神』のまえがきで
次のように述べている。
「イノベーションは、目的意識にもとづいて行うべき一つの体系的な仕事であ
る」
(『新訳 イノベーションと起業家精神(上)』(1997年 ダイヤモンド社、上
田惇生訳)
もちろん、「業務」としてのイノベーションは、他の企業活動とは大きく異なっ
ている。本書は、イノベーションをいくつかのタイプに分けた上で、それぞれの
特性を解説している。そして、戦略、組織体制、プロセス、実績評価、報奨、学
習、企業文化など、「業務」としてイノベーションに取り組む際に必要となる経
営管理ツールをひとつずつ掘り下げていく。本書を通読すれば、全ての経
営管理ツールを連動させることにより、イノベーションを自然と生み出す組織
を作れることが確信できるだろう。
このところ、イノベーションに対する日本社会の関心は、ますます高まってい
る。人口減少社会が現実のものとなり、国内の市場が縮小していく中で、日本経
済が持続的な成長を遂げるには、生産性を高め、グローバル市場の競争に打ち
勝っていかなくてはならない。そのためには、イノベーションが不可欠だ。政府
もまた、「イノベーション25戦略会議」において、国家の長期的な取組みを検
討しはじめた。
本書の内容は経営者を対象としたものだが、政府関係者やマスコミ関係者の方々
にも、ぜひお読みいただきたい。本書のフレームワークを理解することによっ
て、イノベーションの成果を得るために必要なことが明確になれば、日本の社会
や企業が必要としているイノベーション環境についての議論が深まるはずだ。
本書が、イノベーションに関わる経営者と、現場のイノベーターの方々の一助と
なれば幸いである。そして、本書の内容を実践することによって、一社でも多く
の日本企業が、グローバル市場で尊敬されるイノベーション・リーダーになるこ
とを願ってやまない。
(日本語版 訳者まえがき より)