経営論、企業組織論の大家がイノベーションの起こるプロセス、原理を解読している。
イノベーションとは単なる技術革新ではなく、新技術が市場を通じて社会を動かす、私たちの生活や仕事を変革するプロセスだと説く。更にそうした変革のプロセスを活かせない、あるいは封じてしまう企業内部、外部のさまざまな障害、障壁を解く。
日本は技術的には筋の良い革新を果たしてきたのに、なぜ経済が停滞しているのか、なぜ成長のダイナミズに欠けるのか、その問題意識が(表立っては表明されていないが)基底にあることを感じさせる。
今の日本に欠けているのは、狭い意味の技術革新ではなく、それが引き起こす組織や社会変革のプロセスにあるんじゃなかろうか、などど読みながら思った。
しかし明示的にはそこまで語られてはいない。本書では学術的な厳密さには必ずしもこだわらない議論を展開しているようだから、できればそこまで議論を広げて欲しいと感じた。