50年近くも前に初版として世に出た後、現在まで改定されながらも通用してきた書籍であるだけに、
実証を踏まえた理論としての完成度は相当高いものだといえます。
また、様々なイノベーション研究を参考・引用していることから、一つの大きなハブとしての価値も高いといえます。
一方で、完成された理論であるが故に、基本構造が異なる理論についてはあまり積極的には触れられておらず、
最近の世の中のグローバル化や複雑化、スピード化にどこまで適合していけるかについては懸念は残ります。
但し、訳者も述べている通り、それだけをもって本書の価値が下がるものではないと思います。
また、組織内部のイノベーションについては(著者の学術領域では)それほど研究が行われていないこともあり、
企業におけるイノベーション(マーケティング、R&D、組織変革、意識改革等)においては有益ではあるものの、
参考情報という位置づけになると思われます。
但し、このあたりはむしろ経営学において積極的に研究開発されるべきものだと思います。
様々な見方はあるとは思いますが、古典としての価値は極めて高いと思いますので、
イノベーション関係者にとっては必読書だといえます。