ジャーナリストである勝見氏がサントリー伊右衛門や新横浜ラーメン博物館などのイノベーションの過程(要はヒット作品誕生秘話)を物語的に紹介し、それをさらにイノベーションの大家ともいうべき野中教授が経営学的視点から解説&分析する、というパターンがひたすら繰り返されていく構成になっているのですが、これが全体に心地よいリズム感とテンポを生み出していて、よく出来た謎解き小説の短編集のようにとても面白く読めました。
またこれらのヒット要因を探っていくと、実は今多くの企業が陥りやすいアメリカ的分析マヒ症候群からは遠く離れた、日本社会独自の知識や知恵の集積から生み出されていたという事も驚きで、日本人としてなにやら誇らしい気持ちにさせてくれる本です。