イタリア語の歌を歌唱するために、並行して発音をしっかり身に付けようという本。この手の本では「歌うイタリア語」という名著もあるが、音楽を専門にしている人には良いものの、歌が好きでちょっとイタリア語にも興味があって、というレベルの人には難しすぎる。この本はそういう語学として文法からみっちりとやるのはちょっと嫌だけど、好きなイタリア語の歌をいいかげんに歌うのも嫌だし、というような人に調度良いといったところか。
テーマごとに課に分け、興味の持てる話とともに解説しているので気軽に読める。それでいて、特に日本人が陥りやすい発音の問題を繰り返し注意しているので、ちゃんと読めば正しい発音が身に付くのではないだろうか。「歌う前に詩をしっかりと朗読する」という著者の考え方は、正しい発音で歌うために、また詩の内容をちゃんと観賞するために必要だと気づかされた。
CDも付いているので耳からも発音が学べて良い。ただ、このレベルの本とはいえ、部分的にでも単語に発音記号を付けて欲しかった。
巻末には適度なレベルの参考書も紹介されている。歌からイタリア語に興味を持ったような人に薦められる本。