初めてこの著者の本を読んだ。著者と同じ名前の人物が物語の中に登場するが、他の作品でもこんな感じで登場しているのだろうか。ともかく、イタリアのトスカーナ地方を舞台にしたストーリーであり、いわゆるトラベルミステリーであるから旅行気分に浸ることができる。
ドナテッロのキリスト像のことが出てくるので、何か月も前に読んだ『イラストで読むルネサンスの巨匠たち』の本を開いてみた。ブルネレスキがケチをつけたというこのキリスト像のことなのか。聖骸布の話がメインになってくるが、これについても先日、『一冊でわかる名画と聖書』を読んだとき、トリノの教会にある聖骸布は13世紀ごろのものだと判明した云々の説明があったので、あぁ、あの聖骸布のことかと思い出し、本書のストーリーもよくわかった。
連合赤軍、東大紛争、三菱重工ビル爆破事件、テルアビブ空港乱射事件などなど、なつかしいできことが登場したが、こういうことに話をからめないといけなかったのかと思いながらも、イタリアの警察と教会の関係など実際にはどうなのかわからないが、あり得る話だと思えてしまう。主人公の兄が警視庁の刑事局長だなんて、できすぎの設定ではあるが、フィレンツェの雰囲気を感じながら楽しく読むことができた。