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イタリア古寺巡礼 (岩波文庫)
 
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イタリア古寺巡礼 (岩波文庫) [文庫]

和辻 哲郎
5つ星のうち 4.9  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

一九二七(昭和二)年末から三ヵ月余にわたるイタリア旅行で出会った絵画・彫刻・建築の印象を,著者ならではの豊かな感受性とみずみずしい筆致で書きとめた美術紀行.後に「風土」で展開される風土論の萌芽が随所にみられる点も大変興味深い.挿絵が多数収められた,ユニークなイタリア美術案内. (解説 高階秀爾)

内容(「BOOK」データベースより)

一九二七(昭和二)年末から三カ月余にわたるイタリア旅行で出会った絵画・彫刻・建築の印象をみずみずしい筆致で書きとめたイタリア美術紀行。後に『風土』で展開される風土論の萌芽が随所にみられる点も大変興味深い。挿絵多数。

登録情報

  • 文庫: 260ページ
  • 出版社: 岩波書店 (1991/9/17)
  • ISBN-10: 4003314468
  • ISBN-13: 978-4003314463
  • 発売日: 1991/9/17
  • 商品の寸法: 14.6 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.9  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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14 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By zizi
形式:文庫
 この本は1927年に著者がイタリアを旅行した時に、妻に宛てた手紙を元にした本らしい。だから実際には75年以上も前の記述なのだが、全く古びた感じがせず、間違いなく現代にも通用すると思う。巻末の解説でも触れられているように、下手に写真に頼ることができない時代の記述だからこそ、文章それ自体の表現が色あせないのかもしれない。

 さらに読んでいて気付かされるのは、著者の視点が全くと言って良いほどぶれない、ということ。豊かな知識(日本文化だけでなく西洋文化も)に裏打ちされた終始一貫した見方で、どれほど名の通ったルネサンスの巨匠の作品であってもその名前に気圧されることなく、素晴らしければ賞賛して、気に入らなければ批判する。…その目は間違いなく「日本人」の目であることを感じさせる。芸術や建築だけでなく風土習俗の描写でも、日本のものとの対比が随所になされていて、特に気候や自然に関しての比較が鮮やかで印象に残った。…あ、比較的簡素なものが好きな様子なんかは、今の日本人も変わっていない様子。

 実は、和辻哲郎については名前を知っている程度で、業績などは巻末の解説を読むまでなにも知らなかったが、著作に『古寺巡礼』や『風土』があることを知って、その視点のあり方が納得できた。残念なのは著者がベネチアで病気になってしまって、ベネチアの記述が薄いところかな。

 いつかイタリアへ行くときに、忘れずに持って行きたい一冊。

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9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
この本は著者がイタリアを中心にヨ-ロッパを旅行していたときに
日本へ宛てた私信を集めたものである。イタリア美術紀行と言って
よい。ロ-マ、ナポリ、シチリア、アシシ、フィレンツェ、ボロ
-ニャ、ラヴェンナ、パドヴァの美術館が中心となっている。惜しい
ことにヴェネチアで著者は病気にかかってしまい、この方面の記述は
ほとんどない。

著者の批評はたとえ相手が名だたる大家であっても鋭くばっさり
と切り込む。もちろん、ほめるときは激賞する。

西洋美術を日本人が見るとこう考えるのかと同じ日本人である
読者は共感するに違いない。美術品自体は著者が見たものと同じ
ものを我々は見ることになるので、本書は古さを全く感じさせない。
現代でも十分に役に立つ。

もっと早!く本書に出会いたかった。
これを片手に美術館めぐりができればどんなによかったであろう
にと後悔することしきりである。

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1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
私が初めて読んだ和辻哲郎の本。
和辻哲郎の名前とその代表作である「古寺巡礼」の名前は耳にした事があったが、これまで和辻氏の著作を読んだ事がなかった。
この本は、戦前に欧州留学をしていた和辻氏が妻の照夫人に留学先から送った手紙を体裁を整えて本にしたものである。
まず感じたのは、和辻氏の美術に関する表現の素晴らしさである。
それは独特でしかもその作品の本質を見事に言い表している。
頭で理解するというより感覚的に分かると言ったほうが良いかもしれない。
例えば和辻氏が絶賛している”シヌエッサのヴィーナス”については、以下のように表現している。

肉体の表面が横にすべっているという感じは寸毫もない。
あらゆる点が中から湧き出してわれわれの方に向いている。
内が完全に外に現れ、外は完全に内を表している。
それは「霊魂」と対立させた意味の「肉体」ではなく、霊魂そのものである肉体、肉体になり切っている霊魂である。
人間の「いのち」の美しさ、「いのち」の担っている深い力、それをこれほどまでに「形」に具現化した事は、実際に驚くべきことである。

現代日本において、この様に美術品を表現する事ができる人間がはたしているのだろうかとも思ってしまった。
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