この春、この本を手にイタリアを回って帰ってきました。普通のガイドブックには絶対に載っていない穴場のような教会や名所が多く、おかげで充実した旅になりました。説明も、簡潔でありながら要点をおさえており、情報量も十分でした。見開きのローマ・バロックの地図がとても役にたって、チェックして回りました。ローマだけでなく、ジェノヴァやトリノなど日本人があまり行かないような都市の情報も貴重でした。今回行けなかったナポリやシチリアに次回行ってみるのが楽しみです。バロックは、本書でとりあげられた中心都市からイタリア全土に波及したものであり、イタリアならどんな町にも必ずあるバロック建築は、その模倣にすぎないということがよくわかりました。同じバロックでも、独創的なものか単なる模倣かというちがいがあるのです。美術の魅力というものはこうした旅の中でおのずとわかっていくもので、「美の本質」などと寒いことを言うような人には一生わからないでしょう。
とにかくお買い得でした。ちなみにこのシリーズはどれもすばらしく、「フランス・ロマネスク」や「ビザンティン」もよかったです。