魅力的なイタリアの知られざる街や建造物の魅力をステキな写真と文章で綴った本です。ガイドブックとしての利用もできましょうし、まだ見ぬ街への憧れを募らせるのにもいいでしょう。罪作りな本かもしれませんが。
最初に紹介しあるラヴェンナは、モザイクの古都です。傷心のダンテが慈しんだ街だそうで、サン・ヴィターレ聖堂の内部を埋め尽くしたモザイクの荘厳さには圧倒されました。
イタリアは訪れたことがありませんし、このラヴェンナ(402年から455年まで西ローマ帝国の首都)という都市も知りませんが、輝かしい歴史と芳醇な文化が育まれたことは写真からも如実に伝わってきます。
ミラノの北西にあるヴァラッロも不思議な街でした。聖地巡礼ともでもいうべきサクロ・モンテ礼拝堂には、イエスの受難のシーンが再現してあり、その責め苦を受ける姿は、受難と復活の有名な各場面を等身大の人形で表したものです。
モンブランの麓の町アオスタの雄大な景観もまた異国情緒あふれるものでした。
ミラノのドゥオモ、ガッレリアは有名です。現代的な景観と歴史的建造物の融合がまたこの街の魅力でしょう。
観光都市ヴェネツィアのサン・マルコ広場や大運河も説明不要です。写真と解説を眺めているだけでうっとりしますし、訪れたいと思いますが、それが実現できないからこそ本書を眺めているのかもしれません。
有名なフィレンツェに関しては、建築家で日本大学生産工学部教授の中村好文氏の話が、章ごとの展開の合間に挿入してあり、よく知られた赤い甍や捨子養育院等についてのエッセイが散りばめられています。