タイトルをはじめにみたとき、中世の趣を残すイタリア都市の観光案内のようなものかとおもったがちがった。
著者は、学習院大学准教授で、樺山紘一、高山博の門下。本書は、制度に着目したイタリア中世都市史の入門書といった趣。
中世といっているが、15世紀くらいの記述も多い。
改めて書き出し部分を読み直すと、歴史家のいう中世というのは、ルネサンスまで含めた時代のことで、この年代を後期中世として扱う趣旨のことがかかれている。
中世に固有のものとは何かとの関心からは、コムーネを論じた箇所がおもしろかった。君主制の普及は、中世コムーネ的な原理の終焉を表す一つの指標としてとらえることもできる(p.51)との指摘になんとなくうなずく。
本書結びの文章である、「現在に至るまで、観光客を引きつけてやまないその姿は、イタリア中世都市のもつ多元的な展開の帰結であると、われわれはあらためて感じることができるのである」がとってつけたようで、意味がよくわからなかったので、星3つ。
いろいろ勉強させてもらったあとで、この文章にたどりつき、イタリアは遺跡が多く、食べ物もおいしく、物価もやすいので観光客に人気があるのではないのか、とつっこみたくなった。
結びで何を言うかは大事。