日本の野山に自生する代表的な樹木を、その特徴からどのような環境でどのように生存してきたか、それぞれの生き残り戦略という切り口で紹介している。
私も、森を歩いて木々を眺めるのは大好きである。
本書に出てくる木々は、普段接することの多い木々であり、本書によってより身近なものになった。
森を歩くときに、または森から帰ってきたときに、本書をひもといてみると、奥深い植物の不思議と、植物の極相に至るまでの長い時間やハイマツやユキツバキやミヤマナラなど環境への適応までのとてつもない時間に思いをはせてしまう。
また、もともと荒れ地に盛んに植えられてきたニセアカシアの強い繁殖力に特定外来種として要注意リストにあげられている一方で養蜂業者は困惑しているとして、人間の勝手な振る舞いに皮肉を込めて解説しているのも興味深い。
それにしても、私の大好きなカツラは、長い長い歴史(約1億年)の中で衰退の道にあるとしているのはどこか悲しい。