父親が海外出張で不在のため、夏休みをお祖母さんのところの林間学校で過ごすことになったさゆりと洋介の二人の物語です。
物語は、37日に分割されて進行します。
その一日ごとに、父親から(実は弘子さんから)の一口小話的な物語が挿入されています。
このウィットに富んだ小話も面白く、これだけを読んでいっても十分に楽しめます。
全体としては、父親の再婚話に戸惑う子供達の成長物語になっていて、これはこれで胸にぐっとくるものがあります。
弘子さんが家に来て台所に立ち料理を作ってくれる場面で、さゆりが思うことがなかなか良いです。
「ごくフツーの食材が、火と水と人の力で、なにかすばらしいものに変化するという、そういうふしぎな奇跡・・・その家その家の文化のようなものが、母を亡くしてからは、この家になかったのだ。」
母親が起こす奇跡、母親が作る文化。
その通りだと思います。