内容は、「商品の説明」に非常に詳しく記載されており、その通りです。本書の使い方も、「すぐに何かを調べたい方に」「これから勉強を始める方に」「研究者をめざす方に」「ゆっくり、じっくり勉強しようという方には」と、需要別に丁寧な解説があり、非常に力のこもった詳細で丁寧な商品説明となっています。特に特徴的なのは、目次の次の章に、「主題・地域・項目インデクス」という、単なる索引とは異なる、「探したい項目一覧」。このような一覧のある多くの書籍では、「あるにはあるけど、私の知りたい項目が無い」という、ピントを外したものや、著者本位の目線や、おざなりなものが多いのですが、本書は(少なくとも私には)読者の視点に立っている点が非常に印象的で、著者達の熱意を感じました。
各国の資料保管・開示状況やWeb上の情報、研究状況、研究環境状況、各国最新情勢(東南アジアまで含み、とにかく徹底しています)、参考文献まで、まさにイスラム世界(歴史、宗教、現代社会まで)研究マニュアルの名の通りの著作となっています。研究時に、アラブ語->ペルシア語->トルコ語の順に学習することが推奨され、ペルシア語->アラブ語はNGなど、言語学習の方法や手ほどきまで、本当に行き届いた内容となっていて、とにかく本書製作者達の熱情を感じます。
とはいえ残念なところもあり、内容が網羅的な為、若干浅く感じる部分も出てしまっている点。とはいえ、詳細すぎると一冊に収まらなくなり、一般人にはハードルが高くなってしまう為、仕方が無いと言えるでしょう。それでも本書は600ページもあるのですが、400ページ程の厚さにしか感じなく、持ち歩きに不便という感じはありません。こんな点も、ひょっとしたら作者達の工夫なのかも知れません。内容からしても、この値段はお買い得です。