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イスラームから見た「世界史」
 
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イスラームから見た「世界史」 [単行本]

タミム・アンサーリー , 小沢千重子
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

★私たちはイスラームを知らない★

インド北部から中央アジアのステップ地帯にまで広がるミドルワールド――この広大な地域に広がるイスラーム世界とその歴史について私たちは何を知っているだろうか。

9・11――その時はじめて世界は<ミドルワールド>に目を向けた。西洋版の世界史の後景に追いやられてきたムスリムたちは自らの歴史をどう捉え、いかに語り伝えてきたのか。歴史への複眼的な視座を獲得するための、もうひとつの「世界史」

 西洋世界と今日のイスラーム世界の中核部分は歴史の大半をつうじて、いわば二つの宇宙を形成していた。いずれも内輪の問題に没頭し、みずからを人間の歴史の中心に位置づけ、それぞれ独自の物語を生きていた――十七世紀後半に二つの物語が交差するようになるまでは。その時点で、いずれかが譲歩せざるを得なくなった。なぜなら、二つの物語は互いに逆流として作用したからだ。そして、より強力だった西洋の潮流が優勢となり、イスラームの潮流を攪乱した。  しかし、表舞台から追われた歴史はそこで終わらなかった。それはあたかも潜流のように水面下を流れつづけ、現在も流れている。(「はじめに」より)

内容(「BOOK」データベースより)

9・11―その時はじめて世界は“ミドルワールド”に目を向けた。西洋版の世界史の後景に追いやられてきたムスリムたちは自らの歴史をどう捉え、いかに語り伝えてきたのか。歴史への複眼的な視座を獲得するための、もうひとつの「世界史」。

登録情報

  • 単行本: 685ページ
  • 出版社: 紀伊國屋書店 (2011/8/29)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 431401086X
  • ISBN-13: 978-4314010863
  • 発売日: 2011/8/29
  • 商品の寸法: 18.8 x 13.8 x 4.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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17 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
本書のタイトルは、原書のサブタイトル"A History of the World Through Islamic Eye"を和訳したもののようです。

したがってそこにケチをつけても仕方が無いのですが「イスラームから見た」という表題のわりには歴史上の出来事や思想の評価が著者の主観にだいぶ依存しており、「イスラーム」の中にも複数の視点があるという当たり前の事にあまり触れられていません。

例えば、イブン・タイミーヤなどの際どい(とされている)思想家などは、かなり危険人物であるかのように書かれています。一昔前であれば原理主義者を厳重に取り締まっていた国もあったので、原理主義の源流=危険人物という事でも、とりあえずは良かったと思います。

しかし、現在エジプトやチュニジアで政権を獲得しているイスラーム原理主義政党は、基本的に彼の考え方に立脚しているわけで、依然として馬鹿げた考えの危険人物というレッテルを貼りつけたままにしておくわけには、いかないはずです。「イスラームから見た」という表題を掲げる以上は、そのあたりをステレオタイプ的に斬り捨てるのではなく、なぜイスラーム原理主義が人びとの共感を得たのか、というあたりまで丁寧に扱って欲しかったと思います。
このレビューは参考になりましたか?
20 人中、16人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
題名通りイスラームの立場から見た世界史。今まで、「世界史」はイスラーム世界を無視してきたという著者の思いは納得できる。著者はアフガニスタン生まれで、アメリカで教育を受け、移住した。最近、非西洋世界の人がヨーロッパやアメリカで学び、英語で著作し、日本語に翻訳されるという本が増えてきたように思われる。彼等は、西欧の論理を学んだ上で、自己の出自のアイデンティティを取り戻すかのようだ。

わたしが学んだ「世界史」は、十字軍とイスラーム世界の戦いの場面で、わずかにイスラームの言及があるばかりだった。そこにヨーロッパ以外の人々は存在していない。著者は言う。ナポレオンがエジプトに遠征した時、英仏の闘争については詳細に語っているが、その時のエジプトの状況、民については何も語っていないと。

この本で、わたしの頭の中の空白部分が、ポツポツと埋められたような気がする。もちろん、ペルシャ帝国とかオスマントルコとかモンゴル帝国、ムガール帝国等のことは、学校の歴史の教科書に書かれていたという記憶はある。しかし、それは一つ一つ独立して点在する記憶であり、それが一つにまとまるという事はなかった。

イスラームは北アフリカからスペイン、そしてビザンティン帝国も支配下に納め、オーストリアまで突き進んだ。東はインド、インドネシアなど東南アジアまで、またアフガニスタンまでもイスラームの国々だったのである。ヨーロッパ諸国がキリスト教を基盤とした国々の集まりだったように、ペルシャ、トルコ、モンゴル、インド、などもイスラーム教を信仰する国々の巨大なエリアだったのだ。その巨大な領域が、世界史からスッポリ抜け落ちているという事になる。著者は、ヨーロッパを旅する人がいたら、その人は一つ一つの国については違った景色を味わう事ができるだろうが、ヨーロッパが醸し出す雰囲気は共通していると思っただろう、そして同じことがイスラームの国々についても言えるのだ、と書いている。

著者はアフガニスタンの人。やはりイスラーム世界贔屓のところも見られるが、それはどこの人についても言える事、自分の国にはプライドがある。そこのところを加味しても、これからの世界の行方を考える上で、とても参考になる本だと思う。西欧から見たイスラーム世界をただ鵜呑みにしてはいられない。わたしたち自身で世界を捉えるために、もう一方からの情報は貴重であると思う。
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11 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Gori トップ500レビュアー VINE™ メンバー
歴史はいつの時代も、勝者の都合の良いように書き換えられている。
それが事実だということは、皮肉なことに歴史が証明している。
いまの歴史はアメリカ、英国を始めとする西側連合国の書いた歴史なのである。
だから、バランスの良い歴史観を養うために、本書は大いに読む価値の高い本なのである。

例えば十字軍
「(要約)ローマ教皇は、勢力を持て余し、捨鉢な気持ちになっていたヨーロッパの騎士たち(貴族の次、三男である)に
 『若者よ!東を目指せ』と呼びかけた。戦争が仕事の騎士たちはすぐ反応した。教皇はさらに焚きつける。
 『さあ、社会が汝らをおうなるべく訓練してきた、恐るべき殺人機械というまことの自己を解放せよ。
  奪っても罪を問われることのない黄金でそのポケットを満たし、汝らが所有すべく生まれついた領地を
  手に入れ、それらすべての行いの結果としてーーー死後は天国に入れるのだ!』と。」

そしてイスラエル建国では
「(要約)アラブ側のストーリーは、筋書きが全く違う。アラブ人の土地にユダヤ人の入植者が殺到した。
 聞くところによれば、彼らのスローガンは『国のない民に、民のない国を』というものだったーーー
 これは『民のない国』と名指しされた国に住む、大勢の民にとって驚くべきものだった」
「シオニストたちは次々ととんでもない発言を繰り返す。
『中東の心臓部に、ユダヤ人が建設する国家は西洋帝国主義の利益に奉仕するとともに、遅れた東洋に
 西洋の文明をを導入する手助けとなる』
『パレスチナに建設ユダヤ人国家は、アジアに対するヨーロッパの防壁となり、野蛮に対する文明の
 前哨の任務を果たす』

日本が琉球に求めたもの、アメリカがTPPの参加強制によって日本に求めるもの、と似ているのではないか。
 
著者は、タミム・アンサーリー氏。
アフガニスタン出身のムスリムで、サンフランシスコ在住の作家である。
原題は『Destiny Disrupted:A History of the World Islamic Eyes』
「破壊された運命:イスラムの視点から見た世界史」
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