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イスラームから考える [単行本]

師岡カリーマ エルサムニー
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

ベール、風刺画、原理主義…これらは本当に「イスラーム問題」なのか。イスラーム報道を捉え直す待望の書。酒井啓子さんとの対談「私たちが前提にしている現実はなにか」も収録。

内容(「MARC」データベースより)

ベール、風刺画、原理主義…。これらは本当に「イスラーム問題」なのか。イスラーム報道を捉え直す書。酒井啓子との対談「私たちが前提にしている現実はなにか」も収録。

登録情報

  • 単行本: 217ページ
  • 出版社: 白水社 (2008/04)
  • ISBN-10: 4560031827
  • ISBN-13: 978-4560031827
  • 発売日: 2008/04
  • 商品の寸法: 19.2 x 13.8 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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By yukkiebeer #1殿堂 トップ50レビュアー
形式:単行本
 前著「恋するアラブ人」に比べると9・11以来避けて通れぬイスラームの時事問題に向き合った論考が多いといえます。
 そのひとつひとつを読むにつけ、イスラームに関して読み手の私自身がかかえている思い込みや無知を見透かされた思いがし、また同時にイスラームに限らず宗教や言論の自由について大変教えられるところの多い読書体験を得ることができました。

 デンマークの風刺漫画がムハンマドをテロリストとして描いて国際的にも議論の的となった事件がありました。この風刺漫画を擁護する人々は、表現の自由を盾にすることが多かったようですが、著者はこう記します。
 「宗教を抜きにしても、表現の自由には限界がある。その境界線を引くのは、私たち人間の品位だ。人の品位に文化の違いはない。」(31頁)
 あの漫画事件は厳格な宗教か、それとも表現の自由かというレベルで論じられましたが、その議論のレベル設定自体が誤っているという内省が必要でした。品位のない表現に自由はない、とする著者の弁は大変示唆的だと思います。

 また、幼少時代をすごしたエジプトの学校での愛国心教育から論を起こして、やがて日本のそれについても筆を進める著者の文章にも私は大いに頷くところがありました。
 「日本の文化の良さを自ら認識する感性を持たずに文化に対する誇りだけを教えられても、そんな愛国心は空虚な砂の城でしかない。逆に、祖国の文化の素晴らしさがおのずとわかるだけの感性と想像力と教養を育めば、それを尊重するようにわざわざ誘導する必要はない。」(166頁)
 愛国心などという型どおりで表面的なものではなく、国を自然と愛するにいたるだけの土台となる普遍的な感性と想像力と教養こそが必要だとするこの思考法の中に、日本とアラブという二つの世界の言葉と文化を往来する中で著者が養った心の健全さや奥深さを感じないではいられません。
このレビューは参考になりましたか?
6 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
 著者の師岡さんは、エジプト人の父と日本人の間に生まれ、日本語もアラビア語もネイティブ・スピーカーとして会話できるバイリンガルとして育ちました。
 現在、NHKラジオ日本でアラビア語アナウンサーを務めるながら、慶應義塾大学講師、獨協大学講師をつとめ、アラブの文学や歴史に関する執筆活動も行なっておられます。

 9・11のおかげで、平気で自爆テロするイスラム教は怖い、というイメージが世界中に蔓延し、日本にも「なんとなく怖い、キライ」という人が多いように感じます。

 そんなことはない、と師岡さんが最初に挙げたのは、「悪の枢軸」という2人組のコメディグループでした。

 アラブ系アメリカ人の2人は、アラブ人への偏見をさかてに取って、ネタとして笑い飛ばしています。
 たとえば、FBIから指名手配されているテロ容疑者と同姓同名というアハマド・アハマドのジョーク。

 「白人はいいよな。空港に行くときは、どうだい、出発の1時間半
  とか2時間前に行けばいいんだろ? 僕は1ヶ月半前から行くぜ」

 搭乗してシートベルトも締めたところで、「アハマド・アハマドさんですか? ちょっと同行願います」と機外に連れ出される場面は爆笑ものだそうです。

 偏見を笑いに変えるなんて、カッコいいじゃありませんか。

「イスラーム原理主義」というと、極端な制約と禁止の教えというイメージがあります。
しかし、師岡さんが指摘するところによると、ムハンマドは、
  「過剰は身を滅ぼす」
と教えたり、
  「女は男と対等であり、義務と同じだけの権利を持つ」
と宣言するなど、当時としては進歩的・急進的な内容でした。

 むしろ、極端な制約と禁止の教えにしてしまったのは、ムハンマドの教えを正しく消化できなかった男たちの責任なのです。

 ステレオタイプに陥らないよう、知見を広めてくれる一書でした。
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6 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
この本を読む意義は、世間に広まる間違った常識を見抜き、多くの日本人が知らないイスラームの知識を得ることにあると思う。例えばイスラーム原理主義という言葉のおかしさ。ヒジャーブ(ベールと長袖、丈の長いスカートという服装)は女性が社会で男性と対等に戦うための戦闘服であるとか、「1日に5回お祈りするのですか?」というのは初対面の既婚男性に「奥さんをどのくらい愛していますか?」というのと同じくらいプライベートな質問であるなど。イスラム世界にかかっているモヤを取り払ってくれるような情報がふんだんに詰め込まれている。

また、宿屋の女主人との言い合いから愛国教育を考えるなど、筆者の鋭い分析が非常に面白いし、ためになる。文章も読みやすく良い本だと思う。
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