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8 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
イスラーム理解をぐんぐん鍛える,
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レビュー対象商品: イスラーム―社会生活・思想・歴史 (ワードマップ) (単行本)
イスラームをめぐるごく重要なキーワードの解説集。『イスラームとは何か』(講談社新書)という絶好の入門書のある小杉泰氏らを中心として、けっこう若手の研究者たちが実に様々な話題を、各分野ごとの最新の研究成果や個々のフィールド調査から得られた情報にもとづき、平易に解説してくれる。しばしば誤解されがちな「イスラーム」の実に宗教的な日常生活のリアルな姿や、普遍的な文明・技術を発達させ続けながらも独自性の強い地域慣行を維持してきたその歴史の変遷について、よくわかるようになっている。ムスリムたちが人生の最大の目的のひとつとして行うマッカ巡礼の足跡がつむぎだす、広大なイスラーム共同体のパワフルさ、近年、再評価が進み現代世界における特異だが確実な有効性が検討されているイスラーム銀行のメカニズム、そして、やはり注目が集まってしまう、西洋的世俗社会(しばしば抑圧的な)の乗り越えをもくろむ現代イスラームによる「革命」の意義など、それぞれに重要である。が、その根っこにある独特の宗教的な価値観、そしてそれを支える日々の生活実践の数々、これらが究極的にいえば最大のポイントだろう。この部分の本質を理解していないと、彼らの言動はいかにも別世界の「狂信的」な人々によるもの、といったような受け取られ方がされかねない。あの人たちも当り前だがごくごくフツーに生きていて、それなりに求めて当然の理想を夢みているだけなのに。 本書を読めば、イスラームに関する見識は増え、誤解は減る。それを可能にしてくれる、日本におけるイスラーム研究の進化発展も、よく実感できるだろう。
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
グレイテスト,
By 蔭腹 (大阪府) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: イスラーム―社会生活・思想・歴史 (ワードマップ) (単行本)
イスラームに関する入門書は比較的良心的なものが多いが、本書はその中でも抜群の出来を誇るものだと断言できる。本書は、イスラームを「宗教」「生活様式」「知の体系」「歴史」「歴史と現代」という五分野に分けた上で、イスラーム黎明期から現代に至る様々な側面について分かりやすく説明してくれている。複数の学者が書く書籍にありがちな「論文臭さ」が殆どなく、いずれも非常に分かりやすい口調で書かれている。またこういった書籍には専門用語の説明が不可欠だが、本書は二段組になっていて、術語(キブラとかイフタールとか)については全て下段で注記形式で説明しているという念の入れようで、「あれ、これってどこで説明してたっけ?」となる心配もない(無論、索引も充実している)。時折挟まれる「コラム」欄は、もっとくだけた形で「イスラーム的なるもの」を紹介してくれており、イスラーム理解に役立つ。 結果として、これ一冊を読むことで宗教・生活・歴史としてのイスラームを総合的に、かつ簡便に知ることができる好著である。イスラームについて全くの白紙状態の方でも、十分についていけるだけの工夫がなされている。もちろん、あくまで入門書的内容なので非常な詳細さを求めるべきではないが、巻末の参考文献案内が非常に充実しているので、更に知りたいという方はそちらを参照すればいいだろう。 ただ一つの欠点は、その参考文献案内に「ムハンマド伝」情報がないことである。小杉氏自ら『ムハンマド』を書いているのに。なので、この情報はいずれ改訂時に追加してほしい。しかし、そういった些細な欠点を除けば、イスラーム入門書としては現時点で最高レベルのものだと思う。
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