アメリカに於けるイスラエル・ロビーの実像を白日の下に曝した論文の下巻です。
上巻は・・・
イスラエル・ロビーとは何ぞや?
イスラエル・ロビーの影響力とは?
イスラエルを支援することはアメリカの国益になっているのか?
・・・と言ったイスラエル・ロビーの全体像について述べていました。
それを受けた下巻は、アメリカの対中東政策と、それにイスラエル・ロビーが
どんな&どの位の影響力を行使したのか。そして、その結果アメリカが本来目指
すべきだった&理想する方向から逸れてしまったか、という点を−上巻と同様に
−豊富な資料で一つ一つ論破していくのです。
パレスチナ問題然り、イラク問題然り、イラン問題然り。時の政権が
(イスラエルとパレスチナの)和平や、(シリアとアメリカ&イスラエル
アメリカとイランの)国交正常化を図ろうと動いたが最後。
イスラエル・ロビーはそれを許しません。徹底的な圧力(議員に対して)と
ネガティブキャンペーン(やっぱり議員)に加え、世論誘導までを行い、アメリカ
の目がイスラエルから逸れることを防ごうとします。
それによってイスラエルの立場が悪くなったとしても、さらに言えばアメリカ
人でありながら(イスラエル・ロビーの人々は基本アメリカ人だがユダヤ系とは
限らない。ユダヤ系でも無いのにイスラエルの為、奮闘する人が多いことも
本書では明らかにしている)アメリカの立場が悪くなることも気にしないのです。
その結果はこの本を手に取った方、若しくは取ろうとしている方なら
お分かりと思います。
アメリカの中東政策がどのように形成されたか、そして如何に根の深い問題を
抱えているか(これはオバマ政権でも、前述したような状況は変わらないので
簡単に政策を"Change"とはいかない)と言うことを知ることの出来る貴重な一冊です。