一言でまとめてしまえば、著者は、イスラエルとパレスチナはそれぞれ独立国家で共存するしかないという考え方の上で、米国がもっと中立に介入すればそれが果たされ、今よりはよほど平和になり米国の利益にもかなうと信じ、その上で、イスラエル・ロビーと本書で呼ぶロビー団体が、米国民世論の意向とは関係なく、豊富な資金力で政治に(世論にもだが)異常な程の影響力を及ぼしているという事実を緻密に語る。
世界政治の大きな部分がこの力学で動いてしまっているという現実を認めなくてはならないのだろう。日本(政府にしろ個人にしろ)が中東問題にどう関わっていけるのか、そしてその他の国際関係で日本が国益にかなう動きをするにはどうしたらいいのか、等、本書をきっかけに考えさせられることは非常に多い。