ビザンチン帝国の首都コンスタンティノープルをイスタンブールに変えた男、
メフメット二世の銅像のことから書き起こされ、
ビザンチンの歴史にふれ、
オスマントルコのことを述べ、
最後、トルコの近代化を進めたアタチュルクの逝去で終わる。
なにかひとつの事象や、人物を主軸にするのではなく
都市を主人公にしたシリーズ本の一冊。
著者は自由に、悠然と、長い歴史の中を泳ぎ、
この土地の上を流れていった様々な事象をつむいでいく。
その時代に一瞬自分がいるのではないかと思えるような
歴史好きにはうれしい瞬間を味あわせてくれる良書。
どこか数行、切り出せばいいのでしょうが、
前後と緊密に結びついた、流れのある重厚な文章は
細切れの切り出しを容易にさせてくれません。
安野光雅さんの表紙もしっとりといい味です。