明治11年の夏(6月〜9月)に東京から日光を経て新潟へ抜け、山形、秋田、青森を通り北海道へと旅をしたイギリス人女性による日本奥地の見聞録。平凡社から出ていた『日本奥地紀行』は初版からいくつかの箇所が省略された1885年の普及版の翻訳でしたが、こちらは省略前の1880年初版の翻訳です。
まだ江戸時代の生活が残る明治初期の日本の田舎の原風景や人びとの素朴な生活が、険しい山道や粗末な食べ物、蚤や蚊に悩まされる旅の苦労とともに、外国人の新鮮な目を通して生き生きと描かれています。
上巻では函館到着までの部分が収録されていますが、それ以降の北海道アイヌ人たちの生活を描いた部分は下巻に回されていますので、早期に発行してほしいものです(できれば上下巻同時発行してほしかった)。