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イサム・ノグチ(上)――宿命の越境者 (講談社文庫)
 
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イサム・ノグチ(上)――宿命の越境者 (講談社文庫) [文庫]

ドウス 昌代
5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (14件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

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イサム・ノグチの名前は知らなくても、彼の「あかり」の連作なら誰もが見知っているだろう。シンプルな紙細工の照明器具は、デパートなどで販売されてきた「芸術作品」であり、サラリーマンでも容易に入手できることをイサムは誇りにしていたという。
本書は「ミケランジェロの再来」とも言われた彫刻家イサム・ノグチ(1904-1988)の生涯の最もプライベートな部分まで、FBI文書などの貴重な未発表資料を数多く用いて丹念に描き出す。その人生は物語の主人公のように波瀾万丈で、登場する人物も実に多彩である。22歳のイサムを「助手」として迎えた彫刻家ブランクーシ、イサムの「パトロン」としてさまざまな援助を惜しまなかった陶芸家北大路魯山人。山口淑子(李香蘭)との数年にわたる結婚生活をはじめ、その華麗な女性遍歴もつまびらかにされる。豊富な肖像写真によって、人々を引きつけてやまないイサムの魅力が生き生きと浮かび上がる。
日米の混血児として、日本のみならずアメリカでも第二次大戦前後に辛酸をなめたイサムの一生をたどる本書の焦点は、モダンであることを常に追求してきたイサムの作品の芸術的評価や分析以上に、どちらの国にも帰属し難かった彼の懊悩(おうのう)にあてられている。惜しまれるのは、もし本書が巻末に人名索引を備え、せめて数点でもイサムの代表的彫刻作品をカラーで紹介していたら、専門の研究者にとってもさらに有用なものとなっていただろうということである。(安田靜) --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

日経ビジネス

1988年に他界した20世紀を代表する彫刻家の1人、イサム・ノグチの劇的な生涯を描く。東洋と西洋のみならず、美術界のあらゆる境界線を超越した独特の作風の根底には、イサム自身が抱えていた「帰属の不確かさ」がある。

1904年、イサムは米ロサンゼルスで生まれた。父は著名な英語詩人、野口米次郎。母は米国人レオニー・ギルモア。だが、父はイサムが生まれる直前に母子を捨て日本に帰国。戦争で排日機運の高まる中、母と日本に渡ったが、父は別の日本人女性と結婚していた。イサムは日本でも屈辱的な差別を受ける。米国で排除され、日本にも居場所がない。「愛情や憎悪はどこに向ければよいのか」「安住の地はどこなのか」――。イサムは終生、「帰属する場」を求め続け、その思いを作品にぶつけた。

現代の日本人は、地域共同体はもちろんのこと、終身雇用の崩壊によって企業に対しても帰属意識を持ちにくくなっている。イサムの作品が心を打つのは、彼の人生がそんな日本人とどこか重なるからかもしれない。


(日経ビジネス2000/5/29号 Copyright©日経BP社.All rights reserved.)
--このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。


登録情報

  • 文庫: 464ページ
  • 出版社: 講談社 (2003/7/15)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 406273690X
  • ISBN-13: 978-4062736909
  • 発売日: 2003/7/15
  • 商品の寸法: 14.6 x 10.6 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (14件のカスタマーレビュー)
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9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 宣長さん トップ50レビュアー
形式:文庫|Amazonが確認した購入
 米国在住のノンフィクション作家が、日系米国人の彫刻家イサム・ノグチの生涯を丹念に取材した初の本格的評伝。日本人の父野口米次郎、米国人の母レオニーの非嫡出子として1904年ロサンゼルスに生まれる。赤子の彼を日本に連れて渡る時から「幼い頃から美への目を養い、やがては自分の思いを表現できる何らかの技術をその手につけてやりたい」と誓った母親の願いがすべての始まりであった。13歳の時、母親に従ってアメリカに帰り、その後ニューヨークを中心として彫刻の制作に励む。

 1960年以降、建築家ゴードン・バンシャフトとの仕事が本格化、「大いなる始まり」の時代に入る。庭という小宇宙に活路を見出し、更に公共的仕事をする豊饒の季節を迎える。香川県牟礼に石の彫刻仕事場、よき石工との出会いがあった。

 1985年、ニューヨークのロング・アイランド・シティにイサム・ノグチ庭園美術館がオープン。設立の趣旨を「われわれが生きた時代と重要な関わりを持ちながら展開してきた、私の仕事の全体像を見ていただきたいためです」と述べている。(同名の庭園美術館は香川県牟礼にも設立されている)

 従来の彫刻家の枠をこえ、美術界でぶつかるあらゆる境界線を突破してユニークな意欲作を末永く後世に遺したイサム・ノグチ。一人の命が完全燃焼して、歴史の激流に翻弄されながらも美を追求した魂に感動せずにはいられない(雅)
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8 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
 イサム・ノグチの作品は、シンプルかつダイナミックに見えて、どこか淋しげでいつも誰かにふれられていたがっているように、私には思える。
 それはなぜなのだろう。この本はイサム・ノグチの、生涯をついてまわった執拗な孤独を、丁寧な取材で描き出している。驚くほどわがままであり、まるでだだっ子としか思えない場面も、きちんと余すことなく描き出し、イサムの孤独の深さをえぐり出すことに成功している。それはあまりに痛々しいほどだ。その作業故に、人間・イサムが見事に立ち上がっていると思う。
 亡くなった今も人々を引きつける魅力的な作品世界の背景には、彼のそんな根深い孤独が横たわっているのだ、と納得させられる。それほど、父、野口米次郎がイサムに遺した傷は深かったのだろう。イサムの声にならない叫びが聞こえてきそうだ。
このレビューは参考になりましたか?
7 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
久々のヒット 2005/8/22
形式:文庫
膨大な取材、事実検証がおこなわれた本書には嫌味がなく、イサムノグチの生き方を自分なりに味わうことができます。読みやすい本です。また、一度は聞いたことのある名前が彼の交友関係で次々につながるのには驚かされます。
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最近のカスタマーレビュー
イサム・ノグチの両親と彼の子どもの頃についてのお話。
この上巻はほとんど、イサム・ノグチの両親と彼の子どもの頃についてのお話。津島出身のヨネ・ノグチついて書かれているので津島散策の前に読んでおくと感慨深いかもしれませ... 続きを読む
投稿日: 7か月前 投稿者: lemonsugar
彫刻家、イサム・ノグチの前半生
 日系アメリカ人である彫刻家イサム・ノグチの伝記。
 彫刻は知らなくとも「あかり」シリーズなど、誰もが目にしたことがあるはず。... 続きを読む
投稿日: 19か月前 投稿者: kiki
学術研究書とはひと味違う
研究書ではあまり表に出てこないような、
恋の話が詳しく出てきておもしろい。
とても読みやすく、ノグチの人生を全体的に知るには良いと思う。
投稿日: 2010/2/21 投稿者: Sarah
本当に世界のイサム・ノグチなのだけれど、読みにくいのが……
思いがけず、牟礼のイサム・ノグチ庭園美術館に行くことになり、気になっていたこの本をあわてて読んだ。複雑な生い立ち、華麗な女性遍歴と国際的な人脈の数々、戦争時には日... 続きを読む
投稿日: 2009/9/14 投稿者: Dolly the Cat
自分の居場所を生涯求めつづけた芸術家
読み応えがあり、満足です。特に、野口勇氏に関った人々への著者のインタビューが興味深く、この本に命を与えていると思います。
投稿日: 2006/4/23 投稿者: luna138
 
~... 続きを読む
投稿日: 2004/10/12 投稿者: オガワ
読み物としてはチョットだけど・・・
世界的な彫刻家、イサム・ノグチの前半生を綴った伝記です。かなり詳細に取材をしたようで、端々にその成果が表れています。が、逆に読みづらい。ここの部分は引用しましたみ... 続きを読む
投稿日: 2004/1/21 投稿者: 僕
愛に生きた孤高の芸術家、ここに
20世紀という時代を駆け抜けた孤高の芸術家、イサム・ノグチ。
彼は一点の創作拠点にとどまることなく、日本、アメリカ、イタリア・・・... 続きを読む
投稿日: 2003/9/28 投稿者: tkodesign
愛を求めるイサムノグチに愛情不足の筆者。
丁寧な取材と時代考証で美術家の一生をたどってるのには敬服。
しかし学術書のように、いちいち引用に約物が用いられてる点は... 続きを読む
投稿日: 2003/8/19 投稿者: Mokele Mbembe
愛を求めるイサムノグチに愛情不足の筆者。
丁寧な取材と時代考証で美術家の一生をたどってるのには敬服。
しかし学術書のように、いちいち引用に約物が用いられてる点は... 続きを読む
投稿日: 2003/8/19 投稿者: Mokele Mbembe
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