2006年に日本に再上陸した世界最大の家具小売りチェーン・イケアは、これまでに船橋、横浜、神戸、大阪に出店、11月には埼玉県三郷市にも出店予定で快進撃中だ。
本書は創業者自らの言葉を文章にしたイケアの歴史である。すでに17カ国語に翻訳されている。
イケアはイングヴァル・カンプラードが一代で築き上げた世界一の家具小売企業である。
イケアとカンプラード氏から学べることは読者の判断に任せたいが、私自身は以下の3点をあげたい。
1 低コストの徹底追求−ケチケチ精神
2 スウェーデンのデザインの力−「私たちの心はエルムフルト(イケアのスウェーデンの創業地)にあります」(p.17)
3 脱金融の経営モデル−非上場、「利益を財源」とする自前主義経営
さらに以下の点にも注目したい。
優秀な人材を引き寄せる魅力- イケアは経済経営を学ぶスウェーデンの学生中6年連続で人気1位の企業である。その理由は、「個人が責任を持ち、仕事に意味を見いだし、斬新な思いつきを実行に移し、キャリアアップの可能性を提供するから」だという。
善良な資本家は存在しうるのか?- カンプラード氏は「アメリカ的な弱肉強食の厳しい資本主義のジャングルを今まで一度も好きになれたことがなく」(p.282)スウェーデンの社会民主党の初代首相PAハンソンの「国民の家」のビジョンに共鳴し、連帯と平等を重視する北欧型福祉社会の理念を支持してきた。
グローバル企業、モチベーション、起業家、ライフスタイル、北欧等のキーワードに関心をお持ちの方にお薦めの一冊だ。