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28 人中、28人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
母と娘、姉妹の葛藤を鮮やかに描く−心理学童話,
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This review is from: イグアナの娘 (小学館文庫) (文庫)
親子というのは不思議なもので、ものすごく仲の良い姉妹のような母と娘もあれば、血がつながっているのかと思うくらい隔たりのある母と娘もある。姉妹の仲も同様である。もっとも姉妹の場合は、母親がどちらかを偏愛するところから、愛情争いあり地獄に落ち込んでしまう場合が多い。いずれにせよ、より多く愛されたいと願うところから軋轢は生じる。母は何故、娘を愛せないのだろうか。良くも悪くも自分に似ているからである。似て欲しいところは似てなくて、似て欲しくないところが似るというのは、往々にしてよくあることだ。何も母親が単に未熟な親というわけではない。その生育暦の中で「やり残された課題」であったり、「隠れた願望」が、特に同性の我が子の上に、無意識のうちに投影されるからである。 自分がイグアナだと知っているからこそ、その部分は見たくない。イグアナではない場合は、見ずに済むので受け入れられる。そういう心理的な葛藤を、何年も解消できずに年老いていく母親も哀れであれば、母の死により解放され、やっと母親を受け入れることのできる娘の立場も複雑である。何なれば、精神的な痛手から、虐待の歴史が繰り返されるかもしれないのだが、主人公は聡明にも母の苦しみを思いやり、「辛かったでしょ、苦しかったでしょ」と、共感を示す事ができて、母より一回り大きく成長するのである。 ここで重要な役割を果たす「イグアナ姫」の夢の場面は、童話「人魚姫」にも通じる。その独特の雰囲気を、萩尾望都ならではの画力でさらりと描き、物語からグロテスクさを消し去り、ユーモラスな哀しみといじらしさを添えている。
16 人中、16人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
乗り越えたから,
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This review is from: イグアナの娘 (小学館文庫) (文庫)
誰よりも愛している作家さんです。「小夜のゆかた」からずっとリアルタイムで読んできて、 どの作品も大好きですが、 ある意味、この作品が一番心に残っています。 底に流れる悲しみがどの作品よりも強いような気がして。 ごく最近、 作者御自身が、母娘の葛藤を背負って生きてきているということを知りました。 私もそうです。もうすぐ50歳にもなるのに、まだ心の隅にある思い。 人間ってそういうものだと分かってきましたが。 娘がいますが、同じような思いをさせていないかと心配です。 愛って、言葉で伝えなくては届かないのかな・・・。 娘と2人で読んで、色々話し合いました。 萩尾先生は、乗り越えたからこの作品を描くことができたのかもしれません。 心にきりきりと染み入ります。
5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
母を愛したくて……でも愛せなくて……,
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This review is from: イグアナの娘 (小学館文庫) (文庫)
イグアナの姿で生まれた女の子を主人公とした表題作のほか、現在の普通の家庭が舞台の短編5編が掲載された本です。自分の姿がイグアナに見えている主人公が成長していく表題作は、設定が奇抜なのに淡々と描かれていて、各人の心の動きがよけい切なく伝わってきて、評判どおりの名作でした。 同作者の初期の作品「毛糸玉にじゃれないで」に似た雰囲気のお話の短編集でした。
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