大学のセンセイによる、イギリスにまつわるエッセイ集。
いかにも辞典らしい体裁で、89のテーマが項目となり、
それぞれの項目が真面目な顔をして仲良く並んでいます。
(五十音順。)
読んでいて、
「夕涼みをしているような、この感じは、何だろう?」
と思ったのですが、なるほど、「観察辞典」とはよく言ったものです。
絶賛でもなく入れ込みすぎのところもなく、著者である林氏は、
ちょうどよく離れたところから、イギリスを眺めておられます。
本を読む動機はいろいろあって、
読んだ内容を「何か」のために使う、ということもしばしばですが、
この本は、そうではない。
著者の眺めたイギリスを、じわっと身体にしみこませて、
それでいいんじゃないかと思います。
ああおいしかった、みたいな。