イギリス文学に接する上で、好き嫌いに関わらず、詩は避けて通れない
ものである。そもそも、かつては散文はくだらないものだとされていて
韻文こそ正統であったのだ。詩は文学の基本のスタイルであるといえる
かもしれない。
この本は、スペンサーの時代から第二次大戦のころまでの詩をまとめた
ものである。英詩の歴史は長くその量も膨大であり、アンソロジーを
文庫一冊で作ることも、それを訳すことも、至難の業である。
しかし予想される批判・つっこみ等に関しては、訳者自身がはしがきで
良く弁解している。そこで読者は、訳者なりにまとめ、翻訳した英詩集
に接するという心構えが出来る。
収録されたのは、スペンサー、シェイクスピア、ベン・ジョンソン、
ミルトン、ドライデン、ポープ、ワーズワス、コウルリッジ、バイロン、
P.B.シェリー、キーツ、ロセッティ、テニソン、ハーディー、TS
エリオット、イェイツなど。恋、戦争、死、宗教・・・と幅広いテーマ
の作品が楽しめる。註もあり。原文対照なので、その場で原典にあたれ
るのが良い点。勿論平井氏の訳が絶対というわけではないから、読者は
それぞれの観点で解釈にトライすることもできるだろう。