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本書は、大学生向けのイギリス史の簡便な概説書である。しかしイギリス史という膨大なテーマを、わずか280ページ程度に収めるとなると、なんらかの視点のもとに統一を図らなければ、無味乾燥な年号の羅列に終わりかねない。そこで本書は、イギリスをもっぱら「帝国」として捉え、その角度から全体の記述を行っている。
こうした試みは、最近のイギリス史記述のひとつの流行であり、その日本における担い手のひとりが、編者の川北氏である。本書の冒頭に掲げられた言葉を引けば、これは「イギリス史の簡便な概説書」であるとともに、「一つの主張をもった歴史書」である。その意味では、一般の概説書よりもはるかに明確な意識に基づく書物であり、一本のくっきりとした線に貫かれていることで、イギリス史の錯綜した側面を十分に整理できるものである。「帝国」というテーマとなれば、近現代に叙述の力点がおかれることは当然だが、すでに中世からイギリス国王はフランスに広大な領地を持っていたことを考えると、この一本の線は遠い時代にまで引けることとなる。そして今、そのイギリス帝国が地方分権によって変貌しつつあるとすれば、この線の行方は自ずから興味をそそらずにはいられないのであり、その意味で本書は凡百の概説書をしのぐ地域史といわなければならない。またスペースの関係で触れにくい文化現象、生活の諸側面については、随所に挟まれた短いコラムが有益である。(小林章夫)
こうした試みは、最近のイギリス史記述のひとつの流行であり、その日本における担い手のひとりが、編者の川北氏である。本書の冒頭に掲げられた言葉を引けば、これは「イギリス史の簡便な概説書」であるとともに、「一つの主張をもった歴史書」である。その意味では、一般の概説書よりもはるかに明確な意識に基づく書物であり、一本のくっきりとした線に貫かれていることで、イギリス史の錯綜した側面を十分に整理できるものである。「帝国」というテーマとなれば、近現代に叙述の力点がおかれることは当然だが、すでに中世からイギリス国王はフランスに広大な領地を持っていたことを考えると、この一本の線は遠い時代にまで引けることとなる。そして今、そのイギリス帝国が地方分権によって変貌しつつあるとすれば、この線の行方は自ずから興味をそそらずにはいられないのであり、その意味で本書は凡百の概説書をしのぐ地域史といわなければならない。またスペースの関係で触れにくい文化現象、生活の諸側面については、随所に挟まれた短いコラムが有益である。(小林章夫)
内容(「BOOK」データベースより)
かつて「七つの海」を支配したイギリス帝国は、大戦後に英連邦へと変身し、いまも世界の金融・情報の中心があり続けています。イギリスを、島国としてではなく「帝国」としてとらえた初めての通史。
内容(「MARC」データベースより)
かつて「七つの海」を支配したイギリス帝国は、大戦後に英連邦へと変身し、いまも世界の金融・情報の中心であり続けている。イギリスを島国としてではなく「帝国」としてとらえた初めての通史。〈ソフトカバー〉