話としてはえんどコイチの「死神くん」と似ています。
死の宣告をされた人の行動を描いている点が全く同じです。
死の宣告という悲劇的な状況、死にいく人間の命懸けの行動、その周りの人々の感情、変化、対応を描いて読者を感動させる狙いもほぼ同じでしょう。
ですが、決定的な違いがあります。
それは「死神くん」の場合、あの世にいるという架空の存在である死神が、人間のいわゆる広い意味での「寿命」を宣告するのに対し、
「イキガミ」の場合は人間が人間に死の宣告をし、その人間を(生きている人間が命の大切さを感じるため?という名目のもとに)殺します。
死の宣告をされた人は、殺されることに抗えないまま、最後を迎えます。
何が言いたいかというと、「イキガミ」を読んで感動するためには、人間が人間に理不尽に殺される社会を肯定するか、その部分を「見て見ぬフリ」することが必要です。
そんな社会を肯定する常識人はあまりいないと思いますが、見て見ぬフリをする常識人はたくさんおられるでしょう。
というか今の世界情勢を見る限り、見て見ぬフリをするしかないことはたくさんあります。
「イキガミを読んで感動した」という人は、いろいろなことを”無意識に”「見て見ぬフリ」することができて、日々それを実践している人なのだと思います。
エンターテイメントとして、この「イキガミ」に人気があるという事実が少し怖いです。