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イカの心を探る―知の世界に生きる海の霊長類 (NHKブックス No.1180)
 
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イカの心を探る―知の世界に生きる海の霊長類 (NHKブックス No.1180) [単行本(ソフトカバー)]

池田 譲
5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 1,365 通常配送無料 詳細
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イカの心を探る―知の世界に生きる海の霊長類 (NHKブックス No.1180) + イカはしゃべるし、空も飛ぶ―面白いイカ学入門 〈新装版〉 (ブルーバックス)
合計価格: ¥ 2,310

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商品の説明

内容紹介

イカに知性はあるのか、社会はあるのか

じっとこちらを見つめるイカのつぶらで大きな目。鏡に映った自分にそっと触れるイカの足……。日本人の食卓に欠かせないイカの生物学的基礎知識から、特異に発達した神経系と巨大脳まで、イカのすべてを論じる。そのユニークな行動からイカの知性の有無を問い、海の霊長類たるイカから頭足類学をあらたに提唱する。若手研究者の大胆な試み。

内容(「BOOK」データベースより)

じっとこちらを見つめるイカのつぶらな瞳。鏡に映った自分にそっと触れるイカの長くて細い足。日本の食卓に欠かせないイカだが、その生態や生活史にはまだまだ謎が多い。産卵場所や赤ちゃんの形、寿命から特異に発達した神経系と巨大脳まで、イカのすべてを明らかにする。そのユニークな行動からイカの知性の有無を問い、海の霊長類たるイカから頭足類学を提唱する。若年研究者の大胆な試みの書。

登録情報

  • 単行本(ソフトカバー): 336ページ
  • 出版社: NHK出版 (2011/6/25)
  • ISBN-10: 4140911808
  • ISBN-13: 978-4140911808
  • 発売日: 2011/6/25
  • 商品の寸法: 18.4 x 13 x 1 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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13 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By spio
大変読みやすい文章で書かれ、随所に工夫がみられる良書。

ただ、著者の回顧的な自慢話が最後まで続き、タイトルが「心」となっているものの、肝心の心についての話が避けられているのが大きなマイナス点である。

例えば、心を構成する主要な要素である反射行動や感情表現について触れられておらず、そもそも心をどのように定義して議論するか著者自身がよく分かっていないようにみえる。

動物の心や精神の議論は西欧哲学、近代の認知心理学を含めれば長大な歴史があるにも関わらずそれがあたかも無いかのように話が展開される。鏡の実験の結果からいきなり霊長類との比較に話が飛んでいて、近年研究が進んだ昆虫、魚や両生類との比べ方も紹介されていない。そもそもイカの脳がどのようにサルの脳と類比できるのか本書を読んでも不明である。

また、ウェブで調べてみると日本にはイカの眼や神経生理についての研究が古くから今にかけて多数あり、行動生態の研究も多く見つかる。しかし書き方としてまるで著者一人がイカの心理研究を開拓したかのように記され、何故かそれらにはほとんど触れられていないのが残念である。

このような欠点はあるものの、科学書の読み物としては良い出来でイカという身近で意外に知られていない動物の行動研究に挑んだ作品として十分に楽しめる。
ヴォ−クレールの動物の心の本やダンゴムシの心の話と一緒に読めば一層理解が進むように思う。
このレビューは参考になりましたか?
16 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By naichi トップ500レビュアー
日本人であれば、誰しもイカを身近なものと感じるであろう。寿司や刺身のネタとして出されることは非常に多いし、お祭りでのイカ焼きもおなじみのものである。函館市では、市の魚としてイカを制定し、いか踊りが夏の風物詩となっているほか、佐賀ではイカ検定という試験まで開催されているそうだ。

本書は、そんな身近にいるイカという生物が、いかに知性的であり、広い動物界においてどのようにユニークなのかを論じた一冊である。

◆本書の目次
はじめに
序章  イカの素性をさぐる
第一章 イカの脳をさぐる
第二章 イカの社会性をさぐる
第三章 イカの賢さをさぐる
第四章 イカのアイデンティティーをさぐる
第五章 イカの赤ちゃん学をさぐる
終章  イカの素顔をさぐる

生物学的に見れば、イカは軟体動物門という門閥に所属する、頭足網という一群である。いわゆる下等動物とされる無脊椎動物の一員であり、海の霊長類などと呼ばれるのは、本来おこがましい話である。

しかし、イカは情報を伝達する細胞である神経が発達し、それを統合したところの脳が非常に大きいという。これは、無脊椎動物の中では最大のサイズであり、相対的なサイズで見れば、脊椎動物の魚類や爬虫類よりも大きい。ほかにも、眼の機能も発達しており、視覚情報処理能力も優れており、コウイカという種では0.6程度の視力を持つということがわかっている。

これらの脳を発達させた要因は、イカのもつ社会性ということにほかならない。それは、群れの形成であったり、繁殖期におけるオスとメスにより繰り広げられる交渉などに見ることができる。種によって異なるものの、個体同士の振る舞いをソーシャルグラフ化してみると、個体順位というものを明確に持っており、ハブや周辺個体など、群れの中でどういった位置づけに身を置くかは明確に定められている模様である。

さらに著者は、イカが自分自身が社会の中でどのように位置付けられているかを自己認識しているかという調査に乗り出す。つまり、イカのアイデンティティを巡る問題である。この調査方法が、非常に興味深い。イカ自身に鏡を見せるという、実にシンプルなな手法で導くことができるのだ。

このような鏡像自己認識と呼ばれる能力は、霊長類の中でもヒトとチンパンジ―とオランウータンの三種のみとされてきた。近年ではイルカにもその能力が見られることが分かっているが、同じ類人猿のゴリラでもその種の能力は保持していない。

イカたちは、鏡を前にすると、10本の腕をすぼめ、とても優しい感じでかわるがわる鏡面をさわりにきたそうだ。それは、緊迫した威嚇行動とも、同じく腕を用いる捕食行動とも明らかに違うものであったという。さらに、一ヶ月間集団から隔離した状態で、同じ実験を行うと、鏡面と身体を平行にしてフリーズしてしまう現象が見られることなった。これは明らかに、イカが社会的な動物であることを裏付けている可能性が大きい。

ちなみに、この鏡像自己認識能力は孵化直後のイカには見ることができず、孵化後二カ月程度かけて後天的に獲得していく能力であることもわかっている。これらの特性を鑑みると、他の霊長類のように、地域ごとのさまざまな文化を保持している可能性も非常に高いという。

イカの世界でもソーシャル化やグローバル化は、進んでいるのかもしれない。もちろん震災の影響も、あったことであろう。そう考えると、日本人のみならず、日本のイカたちにも頑張ってほしいものである。
このレビューは参考になりましたか?
4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 哲学する河童 トップ500レビュアー
本書はイカの知性と社会性について解説した良書です。

イカは、その体のサイズに比べて巨大な脳を持っており、学習と記憶の能力に優れているとのことです。

本書の良い点は、文章がとても優しく、イカの素人(ほとんどの読者がそうだと思いますが笑)にも最新のイカ研究が理解できるように十分配慮がなされているところです。

逆に良くないと感じる人が多いだろうなと思う点は、余談が凄く多いところです。
本書は300ページを超えている本ですが、本当に重要なところだけ読者に伝えるのであれば100ページで十分だったでしょう。
また、本書のタイトルは「イカの心を探る」となっていますが、結局のところイカに心があると言って良いのか悪いのか曖昧のところが有り、余談にイライラしてしまう人は最後まで読んでもおそらくスッキリしないのではないかと思います(笑)
個人的には、文系の自分が理系の研究者の裏側について知ることができるという点で余談部分も楽しく読めました。

イカの生態から入ってくれているので、とにかくイカについて色々知りたい人にオススメの一冊です。
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