登録情報
|
|
あなたの意見や感想を教えてください:
|
||||||||||||||||||||||
|
最も参考になったカスタマーレビュー
4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
波多野一郎の生涯に、限りない重さを感じる。,
By
レビュー対象商品: イカの哲学 (集英社新書 0430) (新書)
早逝した哲学者、波多野一郎が残した著作「イカの哲学」に中沢新一が解説を加えたもの。
第二次世界大戦を戦闘機乗りとして戦い、特攻前夜ソ連の侵入によって生き延びた波多野は、 さらにシベリア抑留という経験を経てアメリカに留学生として渡る。 豊かで自由な国アメリカで西海岸の温暖な気候の中での生活は波多野に何を与えたのか。 一時は死を覚悟し、極限状態を経験した波多野にとってのアメリカは、しかし、自由と歓楽を 享受するべき国ではなかった。 イカの水あげに我が身を重ね個の実存と人生の意義について考察する。 言わば死と共存した波多野ならではの感覚であろう。 中沢氏の解説は、読者の気に入ったところだけとれば、よろしい。
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
「平和」の本質とは,
By かる - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: イカの哲学 (集英社新書 0430) (新書)
自ら志願して航空隊に入り、特攻隊として一度は死を覚悟するも、出発前日にソ連軍の侵攻によって命を取り留め、戦後はシベリアに抑留される。解放後はスタンフォード大学で哲学を学び、帰国後に結婚。しかし程なくして脳腫瘍を発症し、46歳でこの世を去る - 数奇で濃縮された人生を送った哲学者、波田野一郎。その著書「イカの哲学」から、これからの人類に必要な「平和論」のエッセンスを掴もうという試み。波田野による「イカの哲学」の全文と、中沢新一の解説で構成されている。
実際、現在我々の「平和」を保障しているようにみえるのは、身近には法や掟であり、これが国家間になると、圧力や牽制を交えながらの利害調停ということになる。国際紛争の解決も、CO2の排出量の問題も、基本的には同様のアプローチで「平和」が演出されている。 しかし波田野によれば、平和を達成する上で最も本質的なことは、総ての心ある存在(実存)に対して気遣いをし、慈しみの心を持つということなのだ。それは次の言葉に集約されていると言える 「大切なことは実存を知り、且つ感じるということだ。たとえ、それが一疋のイカの如くつまらぬ存在であろうとも(中略)。この事を発展させると、遠い距離にある異国に住む人の実存を知覚するという道に達するに相違いないのだ。」 中沢はこれを敷衍して、原子爆弾により史上最も無慈悲な殺戮を味わった日本こそが、この思想を人類に向けて広めていく役割を担っており、図らずも憲法第九条はその宣言となっているとする。この理屈は賛否あるだろうが、私は大いに支持したい。 それはさておいても、波田野が死を意識し、最後の力を振り絞って書いたという「イカの哲学」の湛える明るさと優しさは、それだけで涙を誘う。総ての人に勧めたい、感動的な書物。
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
「現代人」が「平和」を考えるための良きガイダンス、必読の書,
By ケセラセラコ (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: イカの哲学 (集英社新書 0430) (新書)
「戦争」体験が無い私達にとって「平和」とは何かを探るきっかけを与えてくれる良い素材。これからの世代に読み継がれていくことを祈ってやまない。
この本について「考える(=分析する)」と、中沢のロジックの飛躍が鼻につき、この本のメッセージや価値が伝わらないと個人的に危惧する。ただ素直に「感じる」ことが大事だと思う。 本書は2部構成。第一部は波多野一郎の『イカの哲学』。第一部は、波多野自身の実体験であり、すさまじい迫力がある。これを読むだけでもよい。いや、これだけは読んだほうがよい。 第二部は中沢新一による「『イカの哲学』の哲学」。「イカの哲学」の分析に始まり、現代日本人としての平和に対する矜持に迫る。 重複するが、中沢の理論展開のアラを探そうとするならいくらでもできる。しかしそれより、『イカの哲学』についての「感じ方の一つのレパートリー」として捉え、読者自身の『イカの哲学』の感じ方・捉え方を深めたり、豊かにして欲しい(と中沢さんも考えているのではないかと思う)。
あなたの意見や感想を教えてください: 自分のレビューを作成する
|
最近のカスタマーレビュー |
|
この商品のクチコミ一覧
クチコミを検索
|
関連するクチコミ一覧
|
|
|
|