作家である父。元は専業主婦だったのに、片手間で始めた文筆業で人気を得、夫より人気作家になってしまった妻。いつの間にか心の離れてしまった父と母が突然の離婚ということになり、息子2人は父と母のところを半分半分で生活するようになります。当然子供たちはどちらの生活にもなじまず、不安定な心のまま問題行動を起こすようになるのですが…といっても、大人の事情は元の生活に戻ることはできないのです。。。こういうとき、男性のほうがかなり本気で「修復可能」と思い、女性はある意味前向き(笑)、一度決めたことを元通りに戻そうとは思いません。そんなことの浅はかさを分かっているのかもしれませんし、子供がハッピーになる方法は、今はまだ無理としても、元さやに戻るだけではなく、子供が成長して理解してくれることに賭ける傾向にあるのでしょう。タイトルの「イカとクジラ」はスミソニアン博物館の中のアトラクションで、主人公の少年が幼いころ母親と見に行ってたいそう怖かったという記憶。その時には眠れないほど怖いことも、時間が経つうちに慣れていくのかな…(コワイ気持はいつまでも忘れないにしても)耐えられないというほどにはならない、という家族という入れ物に放り込まれた子供のやるせなさが書かれています。時代は1986年。テニスをする場面が多いのですが、ラケットがまだウッド。バックハンドはジミーコナーズの両手打ち。新しいもん好きのお父さんが、マッケンローの片手バックハンドをマスターしようとしているのがおかしい。