素直に「すごい」と思える映画です。
物語は地球の成り立ちから始まります。
50万年前に隕石が衝突したおかげで、地球は23.5度傾いてしまう。
ところが、この傾斜によって多様な地形や四季の移ろいが生まれ、
生命が生息するための条件もそろった。
無限の宇宙で隕石が惑星に衝突する確率は限りなくゼロに近いのに、
地球はそれが起こった奇跡の惑星であると。
『ディープ・ブルー』『WATARIDORI』など自然を扱ったドキュメンタリーは
どんなフィクションよりも面白いと個人的には思っています。
その中でもこの映画が素晴らしいのは、
徹底して地球の苦悩をテーマにしたことでしょう。
絶滅寸前のアフリカ像、ホッキョクグマ、ザトウクジラの三者を「主演」にした
オムニバス形式でストーリーは展開し、
その他様々な動物たちが「共演者」として登場します。
そして、映画には登場せずとも、私たち人間は「悪役」として
重要なパートを演じていることが伝わってきます。
その意味で、『アース』は地球の悲鳴を一般の人にわかりやすく
翻訳した映画だと言えるかもしれません。
もちろん、そんな難しいことを考えなくても、十分に楽しめます。
「どうやって撮影したのだろう?」と思うような映像のオンパレードは圧巻です。
ついでながら、BBCが制作しただけあって、
どこかユーモラスなナレーションも楽しめました。