かつて同人サークルAMPが編纂した「究極ビデオゲームリスト」という同人誌がありました。それはどういう本かというと、ひたすらにアーケードゲームのタイトルと、それが発表された年月日が羅列されているだけのものでした。図版などほとんどありません。名前が列挙されているだけです。
では、これがつまらない価値のない本かというとさにあらず、ビデオゲームの歴史に興味があり、独自の観点で文脈を読み解くことができる程度に首を突っ込んだディープなアーケードゲームマニアにとっては必携とも言えるものでした。
どのようなタイトルが、いつ発売され、その時同時に市場にあったものはどこのメーカーのどんなものであったのか。
どのタイトルが後にどんな影響を与え、何を生み出すきっかけになっていったのか。
海外ではどのようなタイトルをつけられて流通していたのか、そして代理店はどこであったのか。
前提として「タイトルを見ればどんなゲームであるか連想できる」程度の知識を持っていれば、リストを精読していくうちに様々な事実が浮かび上がってくるでしょう。裏を返せば、その知識がない人がこれを読んでも何の意味もありません。いえ、そもそも正確な意味で「読む」ことすらできないでしょう。仕方がないのです。そういう性格の本なのですから。はっきりタイトルに「リスト」と書かれている以上そこに怒るのはお門違いです。
この「アーケードTVゲームリスト」は、その同人誌「究極ビデオゲームリスト」をも資料とし、長く業界誌の編集に携わった著者によって編まれた、2005年までのアーケードビデオゲームタイトルに関して文字通り「究極」と言えるリストです。これに匹敵するものは今後ますます出なくなっていくことでしょうし、無論WEB上にもこれだけの密度と精度と信頼性を兼ね備えたデータベースはありません。
知らずに買った方はお気の毒ですが、諦めてください。しかし手にしたそれは、確かに「アーケードゲームの歴史」の深淵へと導く鍵なのです。道は遠いと思いますが、このリストを活用できるほどに研究を重ねるのも一興と思います。
もしあなたがそうではない、ディープなゲームマニアであったならば、この本をまだ持っていないことは明らかな損失であると言えます。躊躇せずに買いましょう。