商品説明にもありましたが、「TRPGをボードゲーム化しよう」というコンセプトが非常に感じられるゲームデザインになっていました。
TRPGのステータスやアイテム、トラップなどの各要素をカードやトークンに置き換え、ダンジョン探索とモンスターを目で見て楽しめるような形にしたゲームです。
このゲームは、1人がゲームマスター(GM)、他の1人〜4人がプレイヤーに分かれ、それぞれの目的達成を目指してプレイすることになります。
内容的には「プレイヤー VS GM」といった感じです。
あらかじめ複数のシナリオとキャラクターシートが用意されていて、それらを選ぶことでセッションを組み立てていきます。
シナリオの結末や大筋のストーリー分岐は毎回、ゲーム開始前の準備時間中にGMが選ぶようになっているため、同じシナリオでも攻略の仕方ががらりと変わったりします。
またキャラクターの方も、4種類ある能力および装備品の中から2つまでを選ぶことができ、選んだものによってパラメータが変化するようになっています。
ゲーム開始時、プレイヤー側にはゲームの目的は伏せられているため、手がかりを求めてあちこち探索することになります。
手がかりを順に見つけていくことで事件の核心へと近づき、目的カードの内容を明らかにし、それを達成することができればプレイヤー側の勝利となります。
目的カードにはプレイヤー側とは別にGM側の目的も書かれており、そちらを達成することができればGM側の勝利となります。
GM側は通常のTRPGと同じく、勝利条件となる目的の他、ストーリー展開、手がかりやトラップ類の位置などを初めから一通り把握してスタートすることになります。
しかしだからといって、GM側が圧倒的に有利とはならないように設計されています。
例えばプレイヤーに状態異常を仕掛けようとする場合、一定のポイントを支払わないと発動させることができません。
このポイントはスタート時にはゼロで、手番が回ってくるたびに少しずつ増えていきます。
また発動条件にはポイントのほかに、プレイヤーの体力or正気度が一定以下にならないと使えなかったり、部屋が暗闇でないと使えなかったりといったものもあります。
加えて、GMがどんな攻撃をしかけてくるかはプレイヤー側に公開されており、また選んだストーリーによっても使えるものが変わります。
※(通常の状態異常の他に、プレイヤー側に公開されないランダム入手の攻撃方法も存在します)
GMはプレイヤー達がどのように動くかを予測し、手がかりを見つけられそうになったらモンスターをけしかけたり、また逆に何もないところにモンスターを設置することでブラフ(はったり)をかけたりといったプレイになります。
ゲームはプレイヤーとGMとの駆け引きで展開されますが、基本的に両者間で非公開のものはありません。
GM側にはいくつかの非公開部分が設定されていますが、それはプレイの面白さのためであって有利性のためではありません。
そのため、プレイヤー同士がGMに内緒で作戦を練ったり、非公開だからといって勝手にストーリー分岐を変更することは禁止されています。
どの分岐を選んだかはトークンによって(伏せられてはいますが)常に示されるようになっていたり、プレイヤーがゲームセッティング(手がかりの位置など)がおかしいと感じた時はいつでもGMに確認作業を要求できることになっています。
GM側は特にやることが多いので大変そうですが、GM専用のガイドブック(プレイヤー側には非公開)が用意されているため、それを確認しながら行えば次にどうしたらいいかが分からなくなることはないと思われます。
ただし書いてあるのはあくまで大筋、ゲーム運行についてですので、どうしたら勝てるかなどの攻略法は書かれていません。
そのあたりはプレイヤー側も同じですので、両者の勝負が成立する訳です。
1ターンでやれることが多いのでプレイ時間はかかりますが、各行動項目自体はシンプルにグループ分けされているので、慣れるのは早そうです。
ルール自体が分かりやすくまとめられているので、説明書の内容もすんなり理解できました。
どちらかというと、イベントカードに書かれている詳細などのほうがよほど難解でした。
TRPGにはずっと興味あったけど、ルールが複雑でどこから手を付けたら(覚えたら)いいか分からない!といった自分のような人間にはうってつけのゲームでした。
TRPGの入門としても使えそうですし、ボード類やモンスターフィギュアが充実しているので見た目にも楽しいです。
ボードゲームとしては少々値段が張りますが、内容の充実さを考えると十分その価値はあります。
クトゥルフ神話TRPGに興味のある方には自信を持ってお勧めできます。
<補足>
同じ発売元であるアークライトから出ている「アーカムホラー」と同じ探索者が使われているため、そちらもお持ちの場合はキャラクターシート(人物の背景説明)などを流用してもいいかもしれません。
本製品のキャラクターシートはトランプ大のため、少々小さくて読みづらいと感じたもので。