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52 人中、39人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
新書のような明瞭さと、社会論としての内容を両立させた良書。,
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レビュー対象商品: アーキテクチャの生態系――情報環境はいかに設計されてきたか (単行本)
この『アーキテクチャの生態系』はグーグルやWeb2.0に象徴されるゼロ年代のウェブ周辺の環境を明瞭に書きまとめた、まさに良書というべきものである。インターネットの起源、またレッシグの「アーキテクチャ」やグーグルの「ページランク」といった今や多くの人々が知るところとなったものから、様々な文献を引用しつつ懇切丁寧に解説されている。 ウェブ入門書として「ネットのことはいまいち分からないんだけど…」という方には、是非新書を読むような気分で気軽に手を伸ばしてもらい。 ただしこの本の真の魅力は、ウェブ入門書としての側面ではない。 それはこの本が、アーキテクチャの生態系(≒環境管理型権力を用いた社会設計の進化のプロセス)という新しい観点でウェブを語ることによって、ネット賛歌あるいは、ネット断罪というこの手の本では定番化した結論を克服したことにある。 最初は、この二つの立場を限りなくフェアに解説している(ような素振りをする)彼のスタイルに対して、正直煙に巻かれている感を感じざるを得なかった。しかし、それは一つの結論として「日本社会論」や「若者論」に絡められ、日本のウェブサービスが如何に「ガラパゴス的」に進化して来たか、ということが鮮やかに紐解かれていくことになるのだ。 彼のバランス感覚は、2ちゃんねるやP2P、そしてケータイ小説といった意見が二分されるものを正しく読み取っていく上で非常に貴重な才能であると感じた(特に第7章の恋空に関する記述は今までに無いタイプの論調であり、彼の独自性が見て取れる)。 先に述べたように新書的明瞭さと、情報社会論としての確かな内容を両立させた極めて優れた本なので、より多くの方に読んでもらいたいと思う。
26 人中、19人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
増殖していくエコシステムとしてのネット文化,
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レビュー対象商品: アーキテクチャの生態系――情報環境はいかに設計されてきたか (単行本)
昨年起きた秋葉原の無差別殺傷事件。あの事件の加害者についての論説をまとめた論集『アキハバラ発』に、本著の著者濱野智史も小論を寄稿している。そこで濱野が試みたのは、 事件前にあの青年が繰り返し書き込みをしたのが「なぜ2ちゃんではなかったのか?」という 論点から迫る独自性の強い文章で、他の青年犯罪論者や社会論者などの並べる見慣れた 仕事の中で、埋没することなくひたすら異彩を放っていた。 本書は、情報社会論を専門とし、さらに自らを「ネットオタク」と自称する著者のホームグラウ ンドといえるであろうネット論。ちなみに『アキハバラ発』においての「デバイスから文脈を読み 取る」という方法は、本書のケータイ小説論に受け継がれていると言える。 「アーキテクチャ」というキーワードから、本書がレッシング『CODE』の影響下にあることは予 測できるだろうが、本著並びに著者の独自性はむしろタイトルで言うところの「生態系」の方に こそある。進歩ではなく進化と繰り返し著者が論ずる通り、ネット文化は誰か一人の固有の 意思によって予め意図されていた通りに構築されていったわけではない。その機能の利便性 や内部コンテンツとのインタラクティブな影響のし合いによって、無限にある可能性の中から 偶然的に今の構造が選ばれたに過ぎない。生態系のその「繁殖過程」を、2ちゃんやニコ動、 Tuwitterなどを通して著者は明らかにしていく。 その「生態系」に対しての著者の語りは毒気がなく、異常なまでにネットを賛美するアメリカ帰り の某氏や、未知なるものに対して過敏なまでの警戒心を持つ評者などのそれにはない客観性 があり、好感がもてる。ただ、分析に重きをおくあまり「ネットの未来像」という多くのネット論者 が触れるその人固有の「思想」と呼べる部分が省かれ、その点は少し淡泊すぎたか。 次の著作では、この人の「欲望」の部分をもっとみたい。
15 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
新鮮なはずだがそれほどでもない,情報環境のアーキテクチャ論,
By Kana (東京) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: アーキテクチャの生態系――情報環境はいかに設計されてきたか (単行本)
ローレンス・レッシグがつかいはじめた意味での 「アーキテクチャ」は,権力がひとびとを規制するためというネガティブな意味をおびていたが,著者はそれをもっとポジティブにとらえようとしている.ミクシィ,ウィニーなどの P2P ソフト,ニコニコ動画,初音ミクなどがとりあげられて,アーキテクチャという観点から論じられる.あたらしい視点のはずだが,そのわりには新鮮味が感じられない.著者の議論をすでにブログなどでみているせいかもしれないが…
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