既に他のレビュアーの方が書かれているように本作はロキシー・ミュージックの最高傑作であるとともに、ヨーロピアン・ロックの80年代の最大の成果の1つと断言して差し支えないと思います。長いヨーロッパの歴史がアメリカ音楽を触媒として結実したかのような珠玉のサウンドが詰まった傑作。それが本作です。作品全体を通じて感じる浮遊感がたまりません。特に秀逸な曲は誰もが認めるMore than thisとAvaron。LP時代から数えきれないほど聞きましたが、未だに魅力はあせません。この不滅の輝きを放つ2曲を収録しているだけで、この作品の価値は永遠です。ジャケットもすばらしいですね。楽園に吸い込まれていくような感じを受け、手に取るたびにその美しさ・コンセプトの見事さに感嘆してしまいます。是非本作は紙ジャケのものを持っておくことをお薦めします。
今回の紙ジャケ・シリーズの本作では歌詞の訳としてLP時代のものとCD時代のものを両方見ることができますが、随分違いますね。翻訳者の解釈・力量・個性の違いもあるでしょうが、例えばM7の「君は僕に賭けてくれなかった」(新)と「僕に賭けてみないかい」(旧)では意味が違いすぎます。フェリーが言葉を削って作った詞の抽象性が高まったこともあるでしょうが、新訳、旧訳のどちらにも首をかしげたくなる部分があります。これは英詞と新訳、旧訳を比較してどちらの訳が適当か逐一自分で判断するしかないでしょう。歌詞を気にせず楽しむことも可能です。リスナーである貴方が楽しみ方を決めればいいでしょう。