トルストイを読むなら「戦争と平和」より先ずこちらから読んだほうがいいと思います。こちらのほうがスケールは小さくて、扱うテーマが主に3つのロシア上流家庭の人間模様なのですが、その分心理面などの動きも描ききれていて、私たちが普段何気なく感じていることにきちんと答えを見出してくれます。また心理面だけでなくすべての描写がすばらしく、まるでそこに自分も一緒にいるかのような錯覚になります。そのため読後に昔あった懐かしい思い出のように心に残るのです。分量は大目なのですが、主に対照的な2つの家庭の話が交互にでるので飽きないで読めると思います。最後に主人公が生きるという事に何か確固たる意味をもとめて、さまざまな哲学書を読み漁ったりしながら最後に勝ち取った境地は文学史上もっともうまくいった奇跡的な仕事です。