トムジョビンの最後の作品と言われているアルバム。CDのブックレットの中に彼の多分使っていたと思われる帽子や、虫眼鏡、葉巻、眼鏡、鉛筆(楽譜用?)などと一緒に蝶や、海岸の景色、葉っぱや、夕焼け等の写真が一面にデザインされていて、ああ彼はもういないのだなとちょっとセンチメンタルな気分になります。さて、音楽はというとこれは少しぞっとしてしまうほど綺麗だ。耽美的だしリズミックでもあり、これこれそが本物のサウダージだと言われれば本当にそうなのかもしれないが、それはちょっと危険な感じもするくらい。中原 仁さんが、最後の曲"トレン チ” フェーホ"の解説として、"終着駅で停止した蒸気機関車とジョビンの最期とがオーヴァーラップ~"と書いておられるが、ほんとうにそういう気分がしてくる。きっと天国というよりは、美の極致のような楽園に旅立って行かれたのだなと、この作品を聴く度に思うのである。