正直、タイトルを目にした時、「えっ!?」と感じる人も多いのでは。どうしてもあのお笑い芸人や“本家”のプロレスラーが想像され、違和感を感じる一方で、「どんな内容なのか?」と興味を引き立てられた。『精霊流し』から数えて5作目の本作は、今までにも増して命の尊さや人間の営みへの描写が秀逸で、読み手の心を離さない。これまでの自分の生き方について深く考えさせられる作品だ。『精霊流し』の頃に見られがちだった必要以上とも感じられる「泣き」の場面も抑えられており、却って登場人物に感情移入しやすい。主人公が見習いとして勤める「遺品整理業」やそこで働く従業員を通して、人間としての尊厳を改めて認識させてくれる。さだファンでなくても必読の一冊。