アマチュア無線で自作を楽しむのなら,送受信機に較べるとアンテナは比較的始めやすいと思う。身近にある意外な材料を使って,お金をかけずに性能のよいものが出来たときの喜びは自作の楽しさを倍増させる。自分もこの本でそのような経験をしている。
この本は,自作派に製作の具体的情報と理論的裏づけ(特に巻末の理論編は難しい部分もあるがよく出来ている)の両方を提供してくれる本である。典型的なアマチュア局のアンテナの製作例が挙げられており,HF帯でも,U/VHF帯でも,どんなアンテナを自作できるのかイメージをつかみやすい。
以上の点を考えると星5つなのだが,以下の点によって星4つ(実は3.5くらいが正直なところだが・・・)とした。
本が出来てから随分時間が経っているので,現在の運用の形態,無線機の進化,楽しみ方の傾向(移動運用,デジタル通信,QRPなど),アンテナのその後の開発状況(種々の実験例)がフォローされていない。読者層のそれぞれの状況や志向に配慮した改訂や増補はあってよいと思う。今では50オームが当然の部分で75オームのフィーダを使った例など,明らかに古くなった部分は改訂が必要である。
現在アクティブに活躍している人々の協力により増補・改訂がなされ,リニューアルされたこの良本が多くの自作派の手許に置かれる事を願うものである。