Jリーガーの光と影を描いた秀作だ。財前宣之、石川直宏、小澤英明、阿部祐大朗、廣山望、佐藤由紀彦、金古聖司、藤田俊哉、茂庭照幸、李忠成、サッカーファンであれば、一度は必ず目や耳にしたことのあるプレイヤーの姿を追っている。著者の前「RUN」では福田健二という一人の選手を掘り下げ描いた。今回は10人だったこともあり、多少「薄い」感じもするが、それ以上に全日本クラスの選手のその光と影は、興味を惹く。ある意味、ここに取り上げれた選手は、サッカーエリートだ。ここまで来る人は殆どいないのが現実だ。そして、当然このレベルでもまた競争という山があり、「勝者」と「敗者」が存在する。「敗者」がその最終競争まで駆け上がる「光」の部分はマスコミで取り上げられることは多い。ただ、「敗者」が山を下っていく姿は描かれることが少ない。各選手の山下りは、それぞれがユニークだ。海外やJ2、JFL、それぞれがそこで頑張ろうとする姿に胸が熱くなる。
自分もよくスタジアムで見ていて選手も多いので、感情移入してしまう。自分の日々の怠惰さに指をさされるような尖った熱い本に仕上がっている。