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13 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
怒りをコントロールしなければ,怒りにコントロールされる人間になる,
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レビュー対象商品: アンダー・ザ・ドーム 上 (ハードカバー)
あらすじや本の分厚さから,久方ぶりに5千円以上のお金を払ってでも買って読んでみたいと期待させられたスティーヴン・キングの最新作。その期待は裏切られませんでした。 私は「シャイニング」「呪われた町」「ザ・スタンド」「デッドゾーン」といったキングの初期の作品が大好きで,本作のオープニングに初期作品の雰囲気を感じましたが,それもそのはず本作を最初に書き出したのは1976年のことで,技術的な問題で頓挫していたのだという。 さて,ドームの正体はいったい何なのか。 本作はその謎解きがテーマではありません。キングの描きたかったことは,追い詰めれた人間の行動なのです。 外部から遮断され閉ざされた空間や異常な状況下における群像劇という設定は,今回が初めてではなく,キングの得意とするジャンルです。 自らの常識を覆されるような状況に追い込まれた人間は,ほんの少しのきっかけで,普段からは想像できないような行動に出てしまう。 閉鎖され追い詰められた人間が持つ恐れは,怒りや憎しみといった感情によって誤魔化され,同じ状況下にある集団が形成されることにより,その感情はますますエスカレートしていく。 そして,その増幅された怒りが取り返しのつかない結果を招いてしまう。 怒りをいかにコントロールするのか。分かっていても難しいことです。 しかし,異常な状況下でこそ冷静に考え行動できる者が生き残ることができるのです。 キングの作品に共通して言えることですが,本作品でも非常にたくさんの人々の命が奪われます。 神は残酷だ,というキングに妥協はありません。 それでもまた新作を読みたくなり,そして読み出したら止められなくその筆力には相変わらずうならされます。 本作は,傑作「ザ・スタンド」や「IT」なみの長編ですが,ザ・スタンドよりも読みやすく感じました。 何か面白い本をお探しの方,お奨めです。
17 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ドームがまるで我が国のように…,
By キバジン (埼玉県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: アンダー・ザ・ドーム 上 (ハードカバー)
今作は「スタンド」「IT」に次ぎ、キング作品で三番目に長い大作です。内容は世界の破滅、神と悪魔的な善悪の戦いを描いた「スタンド」の世界が、それこそアメリカの片田舎にドームとして閉じこめられ、ぐっと収縮された感じでした。 しかし、当然ただ世界が小さくなった訳ではありません。そのぶん密度は濃くなり、人間の誰もが持つ欲や狂気が逃げ場のない世界で、とんでもない恐怖となって主人公たちに迫ってきます。 個人的には結末の所でクーンツっぽい「アメリカの正義」が押し出され気味だったスタンドよりも、今作の方がキングらしい気がしました(ちょっと政治的に偏りすぎな気もしますが)。 アクセル踏みっぱなしの小説だと本人も言うように、息をのむサスペンス、胸を締め付けるような圧迫感、そして解放。キングの真骨頂がいかんなく発揮されています。 ただ、確かにアクセルは踏みっぱなしなのですが、昔のように崖から落ちたり同乗者の頭が木っ端みじんに砕け散りながらゴールまでたどり着くような、ハチャメチャさは少し薄れたでしょうか… それから本書の中では、世間から隔離された場所、権力者の保身、汚染された空気、放射線にガイガーカウンター…。昨今いやが上にも私たちが詳しくなってしまった事柄が、作品のメインテーマのようになっていることも興味深いのではないかと思います。 上下で5600円ですから、買う人はそもそもそうとうなキングファンでしょうが、初めてキングを読むと言う人には今作はあまりおすすめ出来ません。まずは中編の「ランゴリアーズ」や短編集「骸骨乗組員」収録の「霧」あたりを読んで、SF設定はこんなもんでも気にならん! と言ってくれるなら今作も当然気に入ってくれるでしょう。 あと、本筋とは全く関係のない少年のサブストーリーがあるのですが、彼は本作の隠れた主人公のように思えました。その少年のある場面で、 ”〜はたいした兵士ではない。しかし、心根のやさしい立派な若者だ。” という言葉があります。今、こんなことをストレートに書くアメリカの作家はキングだけじゃないでしょうか? もちろん今現在のキングです。
6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
キングの膨大な著作の中でも一、二を争うリーダビリティです,
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レビュー対象商品: アンダー・ザ・ドーム 下 (ハードカバー)
キングの長編の中でも「スタンド」「IT」に続く三番目に長い本書は、しかし、その長さがまったく気にならない、キングがアクセル全開でぶっ飛ばす凄まじいページターナー本なのであります。透明でまったく破壊することができないドームに囚われた一つの町。閉塞された異常な状況の中での住民たちの群像劇が描かれてゆく。同時進行的に語られる様々な物語はキングの巧みな筆さばきで演出され、読者は一旦ページを開くと、あれよあれよという間に物語の中に引きずり込まれていくことだろう。本書の上巻のオビに書かれている文句は嘘ではありません。みなさん、本書はそれほどまでに強烈な吸引力をもっているんです。
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