待望のアンダーワールドシリーズ続編は近年ありがちな「ビギンズ」物。原題の"Rise of the Lycans"が示す通り、バンパイアとライカンの確執の起源が描かれている。そもそものアンダーワールドシリーズがやや時代がかったゴシックアクションであるため、舞台となる時代が大きく異なるにも関わらず、同じ色合いの世界が描かれており、違和感無くシリーズを構成できている。
具体的な内容は避けるが、第一作でさらっと触れていたビクターの娘ソーニャとルシアンの禁断の愛の物語がストーリーラインを形作る。バンパイアとライカンの抗争の元となったこの重要なネタが丁寧に扱われている。ベタベタした恋愛物にせず、あくまでもゴシックアクション(ホラー?)の路線を外していないので観ていて心地よい。最終的になぜビクターがセリーンを生かし育てたかが分かるように出来ており、時代を隔ててシリーズ第1作につながるようになっている。基本的にアンダーワールドが内包していた種族間抗争の起源を掘り起こす目的で描かれているので、1作目から観るのが順当なのだろうが、逆にビギンズから観てもシリーズ1作2作が別の眼で観られて面白いだろう。快作である。
シリーズを通して役者がコロコロ変わる映画が多い中、重要な俳優陣はそのまま出演しているので分かりやすい。ただ、セリーンに瓜二つのはずのソーニャ役がケイト・ベッキンセールではなくローナ・ミトラが演じている。そもそもが似ているというだけで別人なので、敢えて分かりやすく別にしたのかもしれないが、気になると言えば気になる。ケイトもセリーン役で最後に一瞬だけ登場するものの、やはり、マイケル・シーンとケイト・ベッキンセールとレン・ワイズマンの三角関係が未だに尾を引いているのだろうか…。
Doomsday(本邦未公開※)でダークなバイオレンスアクションヒロインを爽快に好演したローナ・ミトラだが、本作ではそれに重みも加わり、重要な役柄を丁寧にかつ痛快に演じている。ケイトに負けず劣らず素敵な俳優だ。
BDとしての出来も上々である。
映像コーデックはMPEG4 AVC。暗い場面が多いにも関わらず、輪郭が明確な精細かつ張りのある画質である。音声はDolbyTrueHD 5.1ch。場面毎のメリハリに合わせてうまく調整された迫力のあるサウンドだと思う。秀逸なのは日本語吹替音声もDolbyTrueHD 5.1chで入っていること。容量が余っているにも関わらず、日本語吹替はDolbyDigitalというBDが多い現状で良き手本となるだろう。
アンダーワールド好きなら必見のBDだが、アンダーワールド未体験の方が本作から入ってもアクション映画としてある程度は楽しめるだろう。ただし、単独では十分にその世界が分からないだろうから、その後に1作、2作を見るべし。
※Doomsdayに関して
その後、2009年9月に公開されました。BDも近々出ますのでこちらも見て下さい。超B級で残虐シーンありありですが楽しめる映画です。
しかし、Doomsdayは英で08年3月、米でも08年5月に公開の映画です。BDだって英では昨年末に出てしまっています。どういうウィンドウ展開戦略なのか分かりませんが、翌年の9月というのはあまりにも遅すぎますね…。本作UWが好評だったからなのでしょうか…。Doomsdayのレヴューが載せてもらえないのでこちらに愚痴を書かせていただきました。