邦題から多くの人が想像するのは「ディーパーティド」「フェイク」のようなFBIのマフィアへの潜入モノでしょうが、本作は決してそれをメインにしたものではありません。 エリート警察官の兄と裏社会で生き俗世間に縛られない弟、警察署長の父…この三者の微妙な三角関係がある事件を機にして大きく変化していく家族モノとしての側面が強いです。 個人的には淡々としたストーリー展開やどことなくよどんだ色調からかもしだす緊迫感は嫌いじゃありませんし、ホアキン・フェニクスやマーク・ウォルバーグ等の若手年長組では最高峰の俳優の演技、またゴッドファーザーのトム・ヘイゲン役で名高いロバート・デュバルの出演にも胸踊りました。 しかし、前作「裏切り者」でも感じたのですが ジェームス・グレイ監督は役者の演技のリアリティを引き出すのは上手いものの、キャラクターの心情変化を描くのが少々苦手なのかと…そのせいかあまり深く感情移入はできませんでした。 手放しに絶賛できる作品ではありませんが決して嫌いな作品ではありません。 近年のロシアンマフィア映画関連では「イースタンプロミス」の評価が高いですが、そこから毒気と過剰なバイオレンスとサプライズを排除して家族愛と熱い正義感を足したような作品とでも言いましょうか。硬派な裏社会モノが好きな方はチェックしてみて下さい!