エンド・クレジットを眺めながら思わず拍手喝采したくなり、その後いつまでも余韻に浸れる作品なんて、そうそうあるものじゃないですよね。私にとっては「アンタッチャブル」こそ、そんな傑作の最右翼。最後まで観客を魅了して離さない脚本、格調高いエンニオ・モリコーネの音楽。そして特筆したいのが配役です。
映画の完成度を左右するのは一にも二にもキャスティングというのが私の持論ですが、その意味で本作は絶妙!先ず絵に描いたような善玉のケビン・コスナーが素晴らしい。これだけ人間味溢れる市井のヒーローを演じてしまった後では、幾ら演技の幅を拡げたくとも周囲が許しちゃくれないでしょう(事実、そうなってしまいました)。細君役のパトリシア・クラークソンの清楚な美しさとの相性も最高です。
念願のオスカーをゲットしたショーン・コネリーの老獪さもお見事の一言。見た目はまるでエルトン・ジョンの、チャールズ・マーティン・スミスの飄々さもグッド。とりわけ若き日のアンディ・ガルシアの妖しさは光ります。この後「ゴッドファーザーIII」に抜擢されたのも、ここでの存在感あってこそ?おまけにアル・カポネ役が既に重鎮のロバート・デ・ニーロ。全く、ブライアン・デ・パルマ監督のセンスには無条件降伏です。
前半で大失態を演じた際の「蝶々さん」、騎兵隊とカポネ一味の銃撃戦、そして無声映画の傑作「戦艦ポチョムキン」への乳母車オマージュと、溢れんばかりの名場面。デューク・エリントンの「ムード・インディゴ」が優雅に流れる、禁酒法時代の大都市シカゴに思いを馳せながら、80年代屈指の傑作を堪能して下さい。これぞ本場のエンタテインメント、心から大推薦!