パラマウント映画創立75周年記念作品として、往年のTVシリーズを鬼才デ・
パルマが芳醇でクラシックな雰囲気でリメイクした大作。映画的技巧に走り
易い(そして無意味である事が多い)デ・パルマが、奇をてらうことなく、正攻
法の演出で、男たちの熱く、ロマン溢れるドラマを描き出しているのが何よ
り嬉しい。『サボタージュ』や『戦艦ポチョムキン』の稚拙な引用もあるが、
それは余興として無視しよう。本作は、技巧派としての個性を抑え、職人に
徹したデ・パルマの好編だ。
家庭人としてのエリオット・ネス(「部下は結婚していない者がいい」が口癖だ)
は、まさに素朴で、誠実なケビン・コスナーにピッタリの役どころ。彼の生涯
ベストの役の一つであることは間違いない。アイリッシュの実直な警官を演じ
たショーン・コネリーも老練な演技で、オスカーに相応しいもの。アンディ・ガ
ルシアの血気盛んな青年、C・M・スミスの小心者の役人もいい味を出してい
る。各人の個性が存分に生かされた素晴らしいキャスティング。そして、デ・
ニーロのカポネ。『レイジング・ブル』同様、デップリと太り、頭髪まで抜い
た狂気めいたいつもながらの役づくりには脱帽するしかない。
ジョルジオ・アルマーニの豪奢さとシックさを持ち合わせた衣裳が、30年代の
男たちの匂い立つようなダンディズムを引き出すことに一役買っていることも
付け加えておこう。
本DVDは、既発売の本編のみの盤に、新たに特典を収録したもの。この作品の
製作の裏側を知りたいという映画ファンには、満足できる1枚だ。