このような名作選をリリースしてくれる紀伊国屋さんに感謝したい。今から50年以上前のアンジェイ・ワイダ監督の初期傑作選だ。最近の作品では2007年の「カティンの森」がある。"戦争と市民"がアンジェイ・ワイダ監督の一貫したテーマ、ライフワークであるが、その精神は揺らぐことなく、現在も健在である。
【世代】は1954年制作、アンジェイ・ワイダ監督が28歳の時の作品である。コントラストの強い白黒の映像で、アクションを多用した演出が特徴。ドイツ占領下のワルシャワで青年スタフが、女性に惹かれるままレジスタンスに参加してゆく姿を描写している。
【地下水道】は1956年制作の作品。劣勢に追い込まれたレジスタンスが地下水道に逃げ込んだ。彼らが唯一見出した希望は、絶望という出口だったというやりきれないストーリー。
【灰とダイヤモンド】は1958年制作。レジスタンスの生き残りである青年マチェクは地区委員長暗殺の指令を受けたが、別人を殺してしまう。標的が滞在するホテルに潜り込むが、クリスティーナと出会い恋に落ちる……。
何はともあれ、「灰とダイヤモンド」がDVD化されるのはうれしい。まさしく映画の中の映画と言えるだろう。暗殺、恋愛、友情等様々なエピソードを一糸乱れぬ構成力でまとめ上げたアンジェイ・ワイダ監督の手腕に脱帽。