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アンアンのセックスできれいになれた?
 
 

アンアンのセックスできれいになれた? [単行本]

北原 みのり
5つ星のうち 4.1  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

私たちは、どう生きてきて、これからどう生きていくのだろう――。70年代の驚くほどに先鋭的な特集の数々。1989年3月のセックス特集「セックスできれいになる!」の衝撃。日本の女性の生き方、SEX観に影響を与え続けてきた雑誌「アンアン」が創刊されてから40年ちかく。アンアンと同い年の著者が、創刊号からのページをひもとき、日本女性の生き方の変遷を追う。

内容(「BOOK」データベースより)

たった20年前は「女はもっと自由に」って、みんな言ってたのに…。そんな考え方、もう古いの!?女性のためのアダルトグッズショップを経営する著者が鋭くつづる日本女性のセックス観の変遷。雑誌「an・an」のセックス特集から垣間見える、女性の生き方40年史。

登録情報

  • 単行本: 244ページ
  • 出版社: 朝日新聞出版 (2011/8/19)
  • ISBN-10: 4022508078
  • ISBN-13: 978-4022508072
  • 発売日: 2011/8/19
  • 商品の寸法: 18.8 x 13 x 2.1 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.1  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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127 人中、90人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By saereal
形式:単行本
名作すぎて、5回くらい震えて1回号泣した。
号泣したのは、北原さんとこの間亡くなった飯島愛さんの関わりについて書かれた部分。
それは単に自殺してしまった飯島愛さんへのセンチメンタルな共感とかじゃなくて、セックスに対する女の悲しい思いを飯島さんが象徴していたように読み取った北原さんの、セックスに纏わる女の悲しさに対する寄り添い方に、ものすごく心打たれたから。

私は筆者の北原みのりさんより10つ年下で、かつてはオリーブとかJAPANとかを購読しているサブカル女子ではあったが、アンアンという雑誌については今までほとんど手に取ったことがなかったし、アンアンはいつもセックスや「どうやったらもてるのか?」についてばかり書いてあるつまらないマニュアル雑誌、というイメージしかもっていなかった。

そんな私はついこの間、生まれて初めてアンアンを購入した。
私の恋人が「”脈あり”かと思ったら全然違った!思わせぶりな男の心理とは」という企画で紙面に載っていたからだ。生まれて初めてかぶりつくように読んだアンアンはとても「興味深く」て思わず、アンアンすごいなあ、とツイッターでも呟いた。おもしろかったのは、自分が知っている人の意見を紙面で読んだってこと以上に、ここまで女に「もてること」や「愛されること」を求める雑誌と、それを読んでいるこの社会の女たちってなんなんだろう?と思ったのだ。

北原さんも後半で指摘しているような、「愛される女になることが大事」イデオロギーや「愛あるセックス至上主義」。

そして愛される女になるためには、いくつものマニュアルが存在する。複雑で(時にはすごく単純なところもある)、プライドが高く、地雷の多い男の子たちが、肉食系・草食系・文化系など様々なカテゴリーに分けられていて、それぞれに対してより効果的なアプローチがあり、彼らの求める女の子像がこれでもかというくらい詳細に提示される。やれこういう仕草にきゅんとくるだの、こういう状況ではこんな言葉をかけてほしいだの。

アンアンから私が感じた事は、読んでる女の子たちが全然主体的になれていないっていうこと。
希求する先が自分を中心とした憧れの世界じゃない。いつも参照枠があって、そこに照らし合わせながら自分の立ち位置を確認したり、男に通用する魅力を評価される世界。

私という女が中心で、女目線で書かれていたセックスから、男に愛され、認めてもらうためのセックスへ。
この本では、アンアンという雑誌の分析を通して、日本で女にとっての性のあり方やセックスがどういう風に変わっていったのかを分析し、提示している。

セックスは愛とつながるけれど、愛とつながらないこともある。
一時期センセーショナルな事件だった東電OL殺人事件の被害者は、殺されたのに「売春していたから」騒がれ、死んだあとも社会的にレイプされた。
愛とつながらないセックスをする女の子はビッチって言われる。男は言われないのに。

愛とつながらないことをすごく恐れている女の子たちがいて、それは身体にリスクがあるから。
怖いのは、妊娠したらどうしよう、ということ。それは男は絶対持つことのない(そして絶対にわからない)怖さだ。
生命を生み出すという奇跡をおこして、場合によってはそれを殺してしまわなければいけないということが自分の内部でおこるのは、はっきりいって半端ない。もし半端なくなんかなくて、堕ろしてもへっちゃら!っていう女の子がいるとしたら、それは自分が傷つかないように麻痺させているからだ。

愛あるセックス至上主義や「愛されるオンナになることが大事」イデオロギーは、この怖さによって加担され、そしてその怖さが愛=性の関係を正当化することで、女の子たちのセックスを「愛」という名前でとことん縛る。
大事にしてもらうために。愛されるために。セックスしても嫌われたり飽きられたりしないために。
愛っていう看板を掲げているだけ、何倍もタチの悪い、抑圧だ。

本来ならば、と思う。
自分のために体があって、それを男の人が愛してくれたら気持ちがいい。
ほめてくれて、夢中になってくれるような体でいたいと思うのは、そういう体であれば自分自身も自分のことを好きでいられるからだと思う。
でも愛あるセックス至上主義のせいで、自分を愛してくれるはずの男の反応や評価や視点を気にして、女の子たちがもがいているのだとしたら悲しすぎる。

女とセックスや、女の自由についてすごく興味がある(そしておそらく多くの人が気を惹かれる)のは、私という女が当事者であり、変革したくて、そしてなにより自分は違うから、って言ってほおっておけないから。私は何一つ違わないのだ。確かに私は他の女の人を代弁できない。でも、すべての女の物語は、私の中の何かを物語っている。

でも私は「〜の方法」「〜になるための7つの秘訣」的な本を嫌悪している。女対象の本の「〜」には、大抵「幸せ」や「愛」に関連するキーワードが入る。だからセックスと女に興味があっても、今まで手に取りたいと思った本はなかった。ツイッターで北原さんの存在を知り、読んだこの本の中では、こういうセックスをするのがいい!とか、幸せになるためのセックスをリードしない。ただアンアンというこんなにも存在感の大きい雑誌が提示してきた性とセックスのあり方や、それが象徴する社会の雰囲気を読み解いてくれていて、自分がセックスで感じていた喜びや痛みや、迷いがどういうことだったのかということを何度も何度も考えた。
そして気づいたのは、自分のその感情が、一人のものではないんだ、ってことだ。
社会とも、その時代の女たちともすごく密接につながっているのだ。

女の人にも、そして男の人にも、多くの人に読んでほしい本です。
このレビューは参考になりましたか?
28 人中、18人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 雪輪
形式:単行本
編集長や担当編集の変遷や広告がらみ、部数維持や増刷のために、雑誌っていろいろな試行錯誤があるのだけれど、読者(というかフェミ研究家・セックスグッズ販売店経営者)の立場からその変わりようを時代とともにちゃんと追ったのは初めてなのかもしれませんね。
著者とパーティーでお会いした夫が、著者とその友人に「ぜひ奥様に読んでもらって!」と強固に薦められたそうで、読みました。性教育が何十年もとまったままな日本で、孤軍奮闘していらっしゃるようす、手に取るようにわかり、その情熱に打たれます。また性に向き合おうとする純粋で真摯な態度に感動しました。
わたしはこの本の姉妹バージョンで、制作者の視点で「アンアンのセックスできれいになれた? 折々の打ち明け話」をマガハ編集者が書いてくれないかな〜とも思いました。あの年はあの編集長であの担当だからこうなった、あの人が社長だったから鶴の一声でこうだった、週一販売になったから月2チーム制になってから主張に辻褄が合わなくなった、広告部が特集のテーマ出しをするようになってからこういうふうになった、販売部数を増やすには「もっとエロく『微笑』みたいに」って販売部の○○さんが煽ったなどなど、きっと探せばネタがいっぱいころがってると思うんですよね〜! そんな社内の因縁が世の中の女の子の人生にさまざまに影響を与えたことを、つくづく反省してもいいんじゃないでしょうか・・・・・。
このレビューは参考になりましたか?
32 人中、19人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Kozy
形式:単行本
上野千鶴子さんのrecommendを見て、読みました。私もすでにいい大人と言われる年齢ですが、自分が子供だった頃のananと自分が大人になって年下の女性に感じる違和感が、著者の感覚と合致し、著者の語りたい現象とその反応について説得力を感じました。特に00年代の保守化傾向についての言及は、私は言語化できなかった違和感を的確に説明してくださったように思います。特にあとがきに記された「勝つのではく、負けない」ことについての記述は、とても示唆的でした。
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