難解と形容される事が多いゴダール作品ですが、今回は比較的分かり易いと思います。古今東西の映画から一場面を“引用”して
形成され、『映画史』を思い起こさせる「地獄篇」(『天と地と』等日本映画も登場します)、物語の中心となりゴダール本人も登場する
「煉獄篇」、穏やかな余韻と共に終幕を迎える「天国篇」と3つのパートに分かれています。
(仕様面)シリアルナンバー付冊子、上映用フィルム断片など初回盤は特典付きです。
DVDケースがデジパックなのでは耐久性という点で残念。本編のチャプターが3つしかなく、もう少し配慮が欲しかったです。
(画質・音質等)ブロックノイズのざわつきの少ない良好な解像度。映画館での画調を比較的再現しています。
特に暖色系の発色が鮮やか。音響面では、『映画史』以来の5.1サラウンドで、激しく爆発したりする場面はあまり出て来ないものの、
サラエヴォ市内の路面電車の走る音、小鳥の囀りや水の音などの日常音にもサラウンド効果が生かされています。
(収録時間)本編収録時間80分の表示ですが、再生して特にゴダールの声がピッチの高い鼻声なので嫌な予感がし画面で
総収録時間を確認した所、実際は76分12秒でした。奇妙な声と短縮された時間から判断してPALマスター使用の4%早送り
仕様のようです。 特典内の日本版予告におけるゴダールの声と比較すると明らかに本編の声と違うのでそう判断せざるを得ません。
発売前よりウェブサイト等で「本編80分」と明示されていただけに、またかという残念な気持ちです。嘗て大島渚氏が自分の
スタンダード作品がワイドTVの16:9比率で再生されていて「私の映画を歪んだ不適切な比率で再生するのは著作権の侵害」と
激怒したそうですが、このPAL早回し問題はそれよりさらに根深い問題と思えます。メーカーは問題を充分認識して戴きたいです。